「第三の肉」をご存知だろうか。第三の肉とは、グリーンカルチャーが手がける商品で植物肉とも称されるもの。グリーンカルチャーは牛、豚、鶏から取れる肉を第一の肉、魚介甲殻類から取れる肉を第二の肉とすると、第三の肉とは、植物由来の肉と定義している。
では、この第三の肉とはどのような肉なのか、今回はそんな話題について、紹介したいと思う。
なぜ「第三の肉」が必要なのか?
「第三の肉」を手掛けるグリーンカルチャー。では彼らはなぜ、「第三の肉」でビジネスを展開しているのだろうか。
それは「畜産業界の課題を解決したい」そんな思いからだという。
その課題の1つは、畜産肉の価格の下落だ。
実は、世界の食肉の消費量は年々増加しているという。先進諸国はもちろんのこと、中国でもここ10年で消費量は2倍に増加。今後インドやアフリカ諸国でも食肉の増加が予想されており、マーケットとしては魅力的ではあるものの、国の経済成長に合わせて畜産肉の価格は相対的に下がる傾向にあり、畜産業に携わっている方に対しては、懸念の1つとなっていることは否定できない。
2つ目は食料問題。生産穀物の49%が畜産飼料向けに消費されており、この状況を続けると地球上で養うことができる人口が2050年に超過してしまい、食料が全人口に行きわたらなくなる危機が生じてしまう可能性があるのだ。
3つ目は、人間の健康面の課題。動物性たんぱく質の摂取量増加は生活習慣病の原因となっている。動脈硬化、心筋梗塞、脳血栓等だ。
最後にウィルスなどの病原体の課題。鳥インフルエンザ、豚コレラ、狂牛病などだ。これらはすべて過密に飼育した動物の中から突然変異のウイルスが発生し、それが動物間での接触により爆発的に広がっていき、飼育した動物のみならず、人間に影響を及ぼすのだ。
「第三の肉」の活用例とは?
グリーンカルチャーは先述の畜産業界の課題を解決すべく「第三の肉」を開発。
この第三の肉は、大豆がベースとなっている。
例えば、ソーセージ。このソーセージは、プラントベース・ソーセージといい、大豆ベースで製造されている。しかも畜肉・畜肉エキス類一切不使用なのに、植物性とは思えない畜肉そっくりなソーセージの味を再現している。本物のソーセージと同じプリッとした歯ごたえもだ。
このソーセージだけではなく同社は、ハンバーグ、エビフライ、エビカツも取り扱っている。また、グリーンカルチャーの商品は、内閣府の食堂でも採用されている。当日の定食は、完売するほどの人気だったという。
利用者からは「これは肉が入っているからベジタリアンメニューではないのでは」との声が上がるほど肉と変わりのないもののようだ。
いかがだっただろうか。グリーンカルチャーの畜産業界における課題オリエンティッドな取り組みと高品質な「第三の肉」にとても魅力を感じる。
一度、「第三の肉」で製造されたソーセージやハンバーグ、エビカツなども食べてみたい。グリーンカルチャーの今後に注目だ。