直径1kmの小惑星「7482」が、2022年1月18日に地球に最接近する。
では、この小惑星は、どれくらい地球に接近するのか、危険はないのか、またこういった危機へのNASAの対策といった話題について、今回は紹介したいと思う。
地球に最接近する小惑星「7482」とは?
今回地球に最接近すると予測されている小惑星7482は、1994年に発見され、直径が1kmもあるものだ。
大きさが40mを超える小惑星は、地球に衝突したと仮定すると、原子爆弾の1000倍以上のエネルギーを持つといわれており、地球に甚大な被害をもたらすことが予測される。
NASA JPL(NASA Jet Propulsion Laboratory:ジェット推進研究所)では、この惑星は「潜在的に危険な小惑星」と分類しているという。
では、7482はどれくらい地球に接近するのだろうか。18日に地球からおよそ200万kmの距離に近付く可能性があるとNASAは報じている。そのため、衝突の恐れはないとみられている。
以下の図をご覧いただきたい。中心が太陽、青が地球の軌道、赤が火星の軌道、そして白が7482の軌道を示している。
7482の軌道は、楕円形のある軌道を描きながら太陽系を横断していることがわかるだろう。そう、ご想像のとおり、また再度未来のいつか、地球に最接近する可能性があるということなのだ。
では、次に地球に最接近するのはいつだろうか。ESA(欧州宇宙機関)によると2058年1月25日、2069年1月14日とあるが、今回の1月18日よりも地球との距離は遠いようだ。
NASAの小惑星衝突に回避向けた取り組みとは?
このように地球は、小惑星の接近などの危険にさらされるタイミングが来る。最悪、本当に衝突してしまう、そんな可能性も完全に否定することはできないだろう。
このような状況を鑑みてNASAでは、PDCO(Planetary Defense Coordination Office)という組織が組成され、地球近傍の小惑星の観測や衝突回避に関する技術開発などを担当している。
NASAでは、DART(The Double Asteroid Redirection Test)という潜在的な小惑星や彗星の危険から地球を守るための技術をテストするためのミッションが進行中だ。
どのようなテストかというと、2つの惑星で構成されている二重小惑星システム「Didymos」を周回している小惑星「Dimorphos」にDART探査機を衝突させるというもの。
衝突させることでDidymosの軌道を変更できるかというテストなのだ。
2022年の秋ころにこのテストが予定されており、すでに2021年11月23日に、SpaceXのFalcon9によってDART探査機が打ち上げられている。
いかがだっただろうか。小惑星が衝突するというSF映画は、みなさんもご覧になったことがあるだろう。それを思い浮かべていただくとイメージしやすいのではないだろうか。
このようなSF映画に登場しそうな話題に対して、実際にNASAでは組織として、惑星衝突を回避するためのテストも計画されているのだ。