2023年2月15日、ピクシーダストテクノロジーズは、乃村工藝社のサポートのもと、ガラスのように透明でありながら人の声を吸音できる透明吸音材「iwasemi RC-α」を開発したと発表した。では、この透明吸音材とはどのようなもので、どのようなシーンで利活用できるのか。今回は、こんな話題について紹介したいと思う。

  • ピクシーダストテクノロジーズが開発した透明吸音材「iwasemi RC-α」をご存じだろうか

    ピクシーダストテクノロジーズが開発した透明吸音材「iwasemi RC-α」をご存じだろうか(出所:ピクシーダストテクノロジーズ)

透明なのにプライバシーを守れる吸音材

勉強や仕事などの最中に周囲からの音で集中力をなくしてしまう経験や、聞かれたくない話や会議を行うことなど、音に敏感になった経験が誰しも1度はあるだろう。他にも、近所迷惑にならないよう我慢しているが、音量を制限せずに楽器の練習をしたい、大音量で音楽を聴きたい、などさまざまなニーズもある。このような課題に目を向けテクノロジーの開発をしている企業が、ピクシーダストテクノロジーズだ。

では、今回紹介する透明吸音材のiwasemi RC-αとはどのようなものだろうか。画像にある、手のひらが透けて見える長方形状の透明なものが、iwasemi RC-αだ。この吸音材は音響メタマテリアル技術を活用していて、素材には植物由来のバイオプラスチックを採用しているという。また、あらゆる空間や環境に溶け込めるよう透明に仕上げられ、本体に付属する粘着テープを使って簡単に貼り付けることも可能だ。

  • 透明吸音材「iwasemi RC-α」

    透明吸音材「iwasemi RC-α」(出所:ピクシーダストテクノロジーズ)

この透明吸音材の大きな特徴が、人の声を吸収できる点だ。以下のグラフをご覧いただきたい。ちょうど人の話し声にあたる500Hz~1000Hz帯における吸音率が高くなっていることがお分かりいただけるだろう。

  • 人の話し声に対する吸音性能が特に高くなっている

    人の話し声に対する吸音性能が特に高くなっている(出所:ピクシーダストテクノロジーズ)

そしてもう1つの特徴が、プライバシーの保護だ。この吸音材は透明であるが、本体表面にはゆらぎ形状を施してあり、目隠し状態を再現することができるという。これにより、吸音に加えてプライバシー対策にも活用できるため、会議室などにも応用しやすいのだ。

  • 表面はゆらぎ形状になっていて、透明でありながらプライバシーは保つことができる

    表面はゆらぎ形状になっていて、透明でありながらプライバシーは保つことができる(出所:ピクシーダストテクノロジーズ)

いかがだっただろうか。吸音という機能に対しては、実はとても大きなニーズがある。大小関わらず社会課題と密接に関係しているし、個人のプライバシー問題にも関係してくる。iwasemiなどの吸音材を開発するピクシーダストテクノロジーズは、社会全体の“音”の問題解決に取り組んでいる、着眼点と技術力に優れた企業だと感じる。