2023年3月24日、モスバーガーを展開するモスフードサービスは、大豆タンパクを主原料とする代替魚を使った「ソイシーバーガー」を発売した。では、この代替魚を使ったバーガーとはどのようなものだろうか。そして、モスフードサービスはどのような思いでこの取り組みを行ったのだろうか。今回は、こんな話題について紹介したいと思う。

  • モスバーガーが販売を開始した、代替魚を使った「ソイシーバーガー」。白身魚風のポーションだけでなく、タルタルソースやバンズにもこだわりが詰まっているという

    モスバーガーが販売を開始した、代替魚を使った「ソイシーバーガー」。白身魚風のポーションだけでなく、タルタルソースやバンズにもこだわりが詰まっているという(出典:モスフードサービス)

モスバーガーが目指すサステナブルなハンバーガーチェーン

モスバーガーではこれまで、大豆タンパクを主原料としたソイパティ商品が発売されてきた。そのメニュー数は多岐にわたり、さまざまなバーガーのパティを大豆由来に置き換えた商品が提供されている。

モスが行うこの取り組みの背景には、大きく2つの理由があると考えられる。1つは、世界人口の増加や家畜などの殺処理問題などによって関心が高まる食糧危機や環境保護を背景に、牛・豚・鶏などの動物以外の代替肉を取り入れる動き。そして2つ目は、健康志向が高い人はもちろん、病気やアレルギー、あるいは宗教上の理由などにより食に関する制限がある人々でも食べられるようにするため、というものだ。

モスバーガーではこのように、SDGsの達成に向けたサステナブルなハンバーガーチェーンへの取り組み「モスSDGsアクション」を推進している。

  • モスSDGsアクションのシンボルアイコン

    モスSDGsアクションのシンボルアイコン(出典:モスフードサービス)

このような背景から、モスバーガーでは次なるシリーズとして、代替魚を使用したフィッシュバーガーの開発に着手したのだ。昨今、気候変動や乱獲などにより水産資源の漁獲高は激減し、価格も高騰しているため、代替魚への期待は高いという。

そして今回発売されたのが、「ソイシーバーガー ~ソイのおさかな風フライ~」だ。この商品の特徴としては、まずフィッシュ風ポーションが挙げられる。ソイパティに代わる形で開発されたこのポーションについては、白身魚に近い風味やほぐれる食感、そして繊維感を再現するために、使用する植物性たんぱくの選び方や練り方にもこだわりが詰まっているという。

また、バーガーの味を決めるタルタルソースも、動物性食材である卵を使用していないという。その代わりには食用油を用いて、卵と遜色ないコクと旨味を再現しているとする。さらに、見た目で特徴的な緑色のバンズは、バンズの生地に豆乳クリームをバター状にして加えてしっとりとした食感を出し、さらにほうれん草ピューレを練りこむことで、ほんのり野菜の甘味が感じられるという。

いかがだっただろうか。モスバーガーの商品はどれも美味しく、固定ファンも多いだろう。しかし私は、単に商品の紹介をしたいのではない。モスバーガーのSDGsに関する取り組みは、さまざまな社会課題をフードテックを取り入れることで解決しているという点で、魅力があるのだ。ぜひ皆さんも、このような視点を持ちながら商品を楽しんでもらえたらうれしい。