iPadは仕事でどこまで使えるか？(40) iPadOS 15の新機能を使いこなそう（メモアプリ、スクリブル編）

スクリブルが日本語入力に対応

「スクリブル」は、iPadOS 14で追加されたペンを使った手書き入力機能である。Apple PencilまたはApple Pencil互換のペンデバイスを使用中にこの機能を有効にしていると、さまざまなアプリのテキストフィールドに対して、ペンを使って手書きでテキストの入力や編集ができるようになる。

iPadは仕事でどこまで使えるか？(22) iPadで手書き入力アプリとペンを使ってテキスト入力をする

しかし、残念ながらこの機能は英語と中国語にしか対応しておらず、日本語の入力には使うことができなかった。

このスクリブルが、iPadOS 15でついに日本語の入力をサポートするようになった。スクリブルを有効にするには、Apple Pencil（または互換ペンデバイス）をペアリングした状態で、「設定」アプリで「Apple Pencil」のページを開き、下図のように「スクリブル」の項目を[ON]にすればよい。

「スクリブル」を有効にする

この項目には、iPadOS 14では「英語」とだけ記載されていたが、iPadOS 15では「日本語および英語」となっており、日本語もサポートされたことがわかる。

すぐ下の[スクリブルを試す]のリンクをタップすれば、ペンを使ったテキストの手書き入力を試すことができる。例えば、次のように入力したとする。

入力フィールドに手書きで文字を書き込む

ペンを動かしている間はそのまま手書き入力を続けられるが、ペンが止まると文字認識が行われて、次のように自動でテキストに変換される。

自動で文字認識してテキストに変換してくれる

この「スクリブルを試す」のページにも例が示されているように、入力したテキストの削除や、単語などの選択、テキストの挿入、文字や単語の分離（空白を挟む）や結合（空白を取り除く）などの操作も、ペンだけで済ませられるようになっている。

次の図は、Safariを使っている最中に、Webサイトの入力フィールドに対してスクリブルで入力を行った例である。このように、スクリブルはさまざまなアプリのテキストフィールドで使うことができる。

スクリブルは各種アプリの入力フィールドで利用できる

ペン入力デバイスを使っている際は、通常は利き手がふさがった状態にある（ペンを持っているので当然だ）。そんなときに、ちょっとしたテキストを入力するのにソフトウェアキーボードや物理キーボードを使わなければならないのは面倒だ。

筆者は手書き入力キーボードアプリの「手書きキーボード」を利用しているため、ペンだけでテキスト入力できるのだが、それでもたかだか1行のテキストを入力したいだけで、下からキーボードが立ち上がってくるのは煩わしいと感じることがあった。スクリブルの日本語サポートは、そんな悩みを一気に解消してくれる。文字認識の反応速度も十分に速く、入力にストレスは感じない。

ただし、依然としてスクリブルはApple PencilまたはApple Pencil互換のペンデバイスでしか利用できない。指でのタッチ入力や、静電容量方式のスタイラスペンには対応していないので注意が必要だ。