グーグルは2024年4月に、Google Workspaceの新たなツールとして「Google Vids」を追加することを発表しています。これは「Googleドキュメント」や「Googleスプレッドシート」「Googleスライド」に並ぶ位置付けの主要なツールとなるようで、より具体的に言えばビジネス用の動画を作成するツールとなります。→過去の「Google Workspaceをビジネスで活用する」の回はこちらを参照。
「Google Workspace Labs」に参加すれば利用できる「Google Vids」
最近はビジネスでも、営業やミーティング、SNSでのプロモーションなどさまざまなシーンで動画が使われるようになってきています。Google Vidsはそうした動画を作成するためのツールといえ、豊富なテンプレートを選んで必要な動画や写真などを追加することで、簡単に動画を作成できるようです。
そして最大の特徴は、生成AI技術をした「Help Me Create」という機能。テキストなどで作りたい動画の内容を入力したり、「Googleドライブ」から参考になる文書ファイルを追加したりすることなどで、より簡単に動画を作成できるというのが大きな特徴となっています。
現在の所、Google VidsはGoogle Workspaceのツールとして正式に提供されている訳ではなく、基本的に利用はできません。しかし、2024年6月からGoogle Workspaceの新しいAI関連機能を試すことができる「Google Workspace Labs」に参加することで、Google Vidsのテストに参加できるようになっています。
そしてGoogle Workspace Labsは、無料版のGoogle Workspaceの利用者であれば基本的に参加できるようなので、現在もGoogle Vidsを試すこと自体は可能となっています。なお、Google Workspace Labsに参加するには、こちらのURLにアクセスして参加条件を確認し、同意のためのチェックを入れた後に「送信」を押して下さい。
その上で、Google VidsのURLにアクセスすると、Google Vidsを使うことができます。
プレゼンテーションツールと同じような感覚で動画を作成できる
現時点ではまだテスト中ということもあり、今後内容が大きく変わる可能性もあることから詳しい使い方の説明は控えますが、動画を作成する大まかな流れを説明しておきますと、まず画面下部の「+」ボタンを押します。
続いて、作成する動画のベースを選ぶ画面が現れるので、テンプレートの中から目的に合ったものを選ぶか、動画を直接録画する、あるいは動画をアップロードします。もちろん1から動画を作成することも可能です。
あとは動画の上に必要な素材を追加したり、新たな動画を挿入したり、音声を追加したりすることで動画を作成でき、最終的にはMP4形式での出力も可能となっています。
基本的な操作は一般的な動画編集ツールに近い印象ですが、ビジネスユースを意識してか、プレゼンテーションツールと同じような感覚でテキストや図形、アニメーションなどを追加しながら動画を作成できる点が特徴的といえるでしょう。
ただ、現時点ではテスト版ということもあり、少なくとも筆者の環境では最大の特徴でもある「Help Me Create」が利用できず、AIを活用した機能を試すことができていません。
また、テンプレートもすべて英語で日本のビジネスユースに応える内容にはなっていないなど、やはり完全な状態ではない印象です。
それだけに、Google Vidsを本格活用できるようになるには、まだ時間がかかるものと考えられますが、試した限りではとても手軽にビジネス動画を作成でき、非常に便利なツールとなりそうな印象ですので、今後の正式提供に向け大いに期待したい所です。