グーグルは2022年10月25日、個人事業主を対象としたGoogle WorkspaceのIndividualエディションで、ストレージの容量を従来の15GBから1TBに増やすことを発表しました。→過去の「Google Workspaceをビジネスで活用する」の回はこちらを参照。
Individualエディションのユーザーにとって朗報
Individualエディションのユーザーは従来、ストレージの容量を増やすのに別途「Google One」を契約する必要があったのですが、今回の変更によって1TBまでであればGoogle Oneを契約する必要がなくなることとなります。
これはもちろん、すでにIndividualエディションを契約しているユーザーにとって大きな朗報といえるでしょう。
GmailやGoogleドライブでストレージをそこまで使っていないという人の多くは、Google Oneの契約が必要なくなる可能性が高いと考えられます。手元の環境で確認した限りではまだ容量が増えていないようでしたが、今後の容量増加が期待されるところです。
では、無料版のGoogle Workspaceを利用している人が、容量を1TB増やすためにIndividualエディションを契約するべきか?というと必ずしもそうとは言い切れません。その理由はIndividualエディションとGoogle Oneの価格差と利用できるサービスの違いにあります。
まず、価格に関してなのですが、Individualエディションを使用する際の料金は月額1130円、あるいは年額1万1330円(月額計算で約944円)となっています。
一方のGoogle Oneに1TBのプランは存在しませんが、容量が倍の2TBプランが月額1300円、あるいは年額1万3000円(月額計算で約1083円)で利用可能。ストレージの容量を増やすことが目的ならば、やや料金は高くなりますが倍の容量が利用できるGoogle Oneの方がコストパフォーマンスが高く、お得だといえるでしょう。
そして、サービスに関してなのですが、実はGoogle Oneの2TB以上のプランは「プレミアム」版と位置付けられており、有料版のGoogle Workspaceの機能が一部利用できるようになっています。
具体的には「Google Meet」で最大24時間のビデオ通話ができるほか、ビデオ通話の録画やノイズキャンセリングの利用が可能で、Google Meetで長時間のビデオ通話がしたいだけならばGoogle Oneで十分事足りてしまうのです。
Individualでは利用可能でGoogle Oneでは利用できない機能
ただ一方で、Individualエディションでは利用できてGoogle Oneでは利用できない機能もいくつかあります。
「Googleカレンダー」の予約スケジュール機能(第14回参照)がその代表例といえますが、他にもGmailで新たに追加された独自レイアウトのメールを送ることができる「レイアウト」や、キャンペーンやお知らせなどのメールを送るのに役立つ「マルチ送信」モードなども、Google Oneの契約だけでは利用することができません。
こうした機能は、とりわけ個人商店や習い事などの教室を実施している事業主にとっては利用価値が高いものですが、特定の顧客を相手としたビジネスをしている人、そして一般ユーザーにはあまり使い道がないものだともいえます。
Individualエディションを利用すべきかどうか悩んでいる無料版のユーザーは、容量だけでなく必要とする機能が使えるかどうかという点も大きな判断材料になるのではないでしょうか。
なお、Individualエディションの利用者が1TB以上にストレージを増やしたい場合はですが、従来通りIndividualエディションに加えGoogle Oneの契約が必要だという点は変わらないので注意して下さい。