実はスマートフォン・タブレット版のGmailアプリは、iOS版とAndroid版とで内容が全く同じという訳ではなく、いくつかの違いが存在します。今回はそうした中から、iOS版とAndroid版とで設定方法が大きく異なる「ラベルの作成と管理」について紹介したいと思います。
意外に思われるかもしれませんが、Gmailはパソコン版を中心に設計されており、アプリ版のGmailはそのサブという位置付けだったことから、主要な機能のいくつかが実は利用できないうケースがいくつかあります。その代表例だったのがラベルの作成・管理機能で、以前はアプリ版だけではラベルを追加してフィルタによるメールの分類をすること自体できなかったのです。
そして現在もなお、ラベルの追加や管理などの機能はiOS版のGmailアプリにしか搭載されていません。4月に終了したばかりの「Inbox」ではiOS版、Android版問わずにラベルの作成ができたのですが、なぜかGmailアプリでは、いまだにAndroid版だけラベルの追加・管理が実装されておらず、iOS版のみの独自機能となっているのです。
では、そのiOS版Gmailアプリでラベルを追加・管理する方法について説明しましょう。まずはGmailアプリのメニューボタンを押してメニューを開き、下にスワイプすると現れる「新規作成」をタップします。
続いてラベル名を入力して「完了」をタップすると、新しいラベルが作成されます。
作成したラベルを使ってメールを分類するには、メニューボタンを押した後「設定」をタップします。
続いて使用するGmailアカウントを選択します。
設定画面が現れたら、「ラベルの設定」をタップします。
するとラベルの一覧が現れるので、分類したいラベルを選んでタップします。
下の画面が現れたら「追加」をタップします。
後は分類したいメールアドレスを入力し「保存」をタップすればOKです。パソコンと同じようにさまざまな条件で分類したい場合は「条件を追加」をタップして分類項目を追加するとよいでしょう。
では、Android版でラベルを作成するにはどうすればいいかというと、ChromeなどのWebブラウザを使ってWeb版のGmailを利用する形となります。まずはWebブラウザからGmailにアクセスし、Web版のGmailを開きます。するとモバイル版のインタフェースでGmailが表示されるので、左上にあるメニューボタンをタップします。
次に画面を下までスワイプし、「デスクトップ」をタップします。
すると簡易HTML形式のGmail(第45回参照)が現れるので、左下にある「ラベルを編集」をタップします。
これでようやく、ラベルの設定画面が現れます。簡易HTML形式ではありますが、ここから通常のGmailと同様に、ラベル追加や管理などができるようになります。
実はAndroid版のGmailにも、iOSでメールを分類した時と同様の操作で設定画面を呼び出すと、全く同じ「ラベルの設定」という項目が存在していたりします。ですがその内容はiOS版とは全く異なり、指定したラベルのメールが届いた時に、通知してくれるよう設定するもの。これはAndroid版だけの独自機能となり、通知をより細かくカスタマイズしたいときに使うとよいでしょう。
具体的な使い方を説明しましょう。まず「ラベルの設定」をタップすると、iOS版と同様にラベルの一覧が現れるので、通知したいラベルを選びます。
続いて「メールの同期」をタップし、「すべて」を選びます。
その後「ラベル通知」をオンにすることで、ラベルに分類されたメールが届いた時に通知されるようになります。
しかしながら、Gmailを開発したグーグルが提供しているAndroid版のGmailアプリで、Gmailの基本機能となるラベルの作成や管理ができないというのは、やはり不思議でなりません。ユーザーの立場からすると一日も早い改善が欲しい所です。