恒例の宇宙備忘録。予測が秒単位でできることから、どーなるかわからんことまで「素人でも手軽に観察または参加できる、楽しめる」宇宙に関わるあれこれを、サクっと紹介しちゃいます。今回は、前編に続き、中編として2018年5~6月の分をば。

5~6月

  • 夜中すぎから明け方の空で、火星がかなーり明るくなってきます。赤くてとても明るい星は、夜中すぎには1個しかないので、まずまちがわないと思いますよー。もう一個アンタレスって星がありますが、これよりも明るいので、明るいほうが火星です。7月31日には最接近して、その時には夜9時には東の空を見ると「うわ、なんだあの赤い星は、何かおこるんじゃ!」という感じに見えます。火星の明るさの変化を、表にしてみます。
日付 明るさ(等級) さがしかた 明るさの感じ
5月1日 -0.4 明けがたの南東の空 かなり明るい赤い星があるなー
5月11日 -0.6 夜中すぎの南東の空 目立つ赤い星がある
5月21日 -0.9 夜中すぎの南東の空 目立つ赤い星、なんだ? あれ。
6月1日 -1.2 夜中すぎの南東の空 赤くて明るい星があるんですけど!
6月11日 -1.5 夜中の南東の空 赤い目立つ星があるんですけど!!
6月21日 -1.9 夜中の南の空 なんか気持ち悪い赤い星がある…
7月1日 -2.2 夜11時すぎの南東の空 みたことない赤い星がある!

ちなみに-0.4等級と-2.2等級では、あかるさは5倍ほどちがいます。2か月で、グイグイ明るくなるんですなー。

  • この火星にむけ、NASAの火星探査機「インサイト」が5月5日に打ち上げ予定です。これ2年前に打ち上げ予定だったのが延期になったやつですな。火星に着陸して、火星の内部についての情報を地震や熱の流れから調べようという計画ですな。到着は11月26日の予定です。

  • また、NASAは6月に太陽系外惑星を探す「TESS」という探査機を打ち上げます。近隣の明るい星をしらべて、惑星通過によるわずかな減光をキャッチしようという計画で、数千個の惑星を見つけられるはずと意気込んでいますな。

  • 木星もみごろです。夜9時以降の空で、一番明るい星が木星です。明るさが圧倒的なので、まちがいなく見つけられるでしょう。木星についてはNASAのJUNO探査機が黙々データを取っています。現在の予定では7月が探査終了なのですが、あとは予算次第とNASAは言っておりますが、トランプ大統領はどうするでしょうか?

  • はやぶさ2が、小惑星リュウグウに到着予定 6月から7月にかけて、日本の小惑星探査機「はやぶさ2」が目標の小惑星リュウグウに到着する予定です。2019年の12月まで1年半もリュウグウのそばにいて、さまざまな探査を行います。今回の小惑星は炭素質といって生命の材料があるかも! ということです。楽しみな1年半がはじまる+サンプルを持ち帰る2020年12月は、なにかわかるかも。ということですね。いまのところ飛行は順調。前回の「はやぶさ」ではさまざまなトラブルや災難に見舞われましたので、そのあたりの対策が効いている感じです。さあ、どうでしょうか?

こちらのPDFファイルに、もろもろが書かれています

ということで、来年も宇宙を楽しんでいきましょー。

書名 URL 特徴 価格
天文手帳 http://www.chijinshokan.co.jp/Books/ISBN978-4-8052-0921-7.htm 手のひらサイズの手帳に、小さな字で毎日の月の出入り時刻や見所など星空情報がぎっしり。ミニ星座早見もついています。 980円+税
天文年鑑 http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=5606 天文年鑑のスタンダード。星空情報のほか、各種のデータが豊富。天体観測を趣味とする人向けの編集。ハンディサイズ。 1000円+税
藤井旭の天文年鑑 http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=5625 天文年鑑の初心者向けバージョン。かなりのマニアも「こっちがお手軽だから」といって使う場合もあり。毎月の星空情報を中心に、観測のしかたなども紹介。ハンディサイズ。 800円+税
ASTROGUIDE星空年鑑 https://www.astroarts.co.jp/products/ag2018/index-j.shtml DVDビデオ・PC&マック用ソフト付きのムック、大判かつカラー版。登録をするとタブレットなどで見られる毎月の星空紹介ページももらえる。 2700円(税込)
天体観測手帳 http://gihyo.jp/book/2017/978-4-7741-9153-9 基本は手帳で、それに天体観測のためのデータとガイドが載っている。カラー図をたくさんという体裁。小型望遠鏡までで見やすい現象、トピックが紹介されている。カレンダーが2年分がポイント。 1280円+税
太陽・月・星のこよみ http://www.gekkou.or.jp/publications/ 大判の月めくりのカレンダー。毎日の月の形や、天体現象などが記載。大手書店のカレンダーコーナーや科学博物館のショップなどにもあることあり。 1400円(税込)+送料。書店版は月の位相図ポスター付で2000円

著者プロフィール

東明六郎(しののめろくろう)
科学系キュレーター。
あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。