2009年も残りわずかとなってきた今日この頃。来年のための新たな手帳を探しているクリエイターの皆様も多いのではないだろうか? 手帳やメモは、単純にスケジュールを管理するだけでなく、アイディアや会議のメモ、TODOなど、多種多様な用途に活用するため、自分のニーズにマッチした製品を厳選したいもの。あらゆる情報を効率的かつ統合的に管理したい、そんなクリエイターのわがままな要求に応えてくれるのが、今回紹介するiPhone/iPod touch用オーガナイザーアプリ「i手帳」だ。
「i手帳」の特長は、なんといってもその高い自由度にあるといえるだろう。スケジュールやTODOはもちろんのこと、ユーザーの使い方や用途に合わせて、テキスト、図形、絵文字、写真、連絡先、ボイスメモを、手軽に一括してページ内で管理できる。手帳スタイルとしては、1日に1ページ割り当てた「ほぼ日手帳」スタイル。また、そのレイアウトについても、ピンチと回転操作により、すべての要素を拡大・縮小・回転し配置可能となっており、紙の手帳と同様の柔軟な使い勝手がツールとして再現されている。
初めてi手帳を起動すると、その当日の日付ページにヘルプや操作のヒントが表示される。基本的な操作のルールなどをアプリを立ち上げるだけで学べるため、非常に効率的だ。標準状態の新規ページには、上部から日付/ニミカレンダー、縦軸に時間が割付られたスケジュール欄、下段がメモ欄となっている。ただし、このレイアウトに縛られることなく、どこに何の情報を書き込むかは、ユーザー自身が自由に決められる。また、ページの横幅は、より多くの情報を書き込めるよう1.5画面分(480×700)のサイズで、スワイプすることで確認できる。このページの大きさが感覚的にフィットしないユーザーは、様々なページサイズ(5種類)を設定アプリ内から選択可能となっている。
スケジュールは、日別、週別、月別などでも表示可能。リスト表示や検索など、デジタルツールならではの便利機能も搭載。ページ画面のサイズやデザインなどのi手帳に関する設定については、OS標準の設定アプリから行う |
ページ画面で、1回タップすると、ナビゲーションバーが表示される。画面下部の矢印をタップで、日付を変更できる。また、表示を月別表示や週別表示に切り替えれば、中・長期的なスケジュールを一目で見渡せるので大変便利である。さらに、ページ画面をタップ&ホールド(長押し)すれば、テキスト入力モードに移行する。また、そのテキストの先頭をタップすると、チェックボックスが表示されTODOとして取り扱えるようになる。入力済みのテキストをダブルタップすると、テキストの編集も行うことが可能だ。ちなみに、iPhoneを振ることで、本日の日付にジャンプして戻ることができる。
ページ画面をダブル・タップすると、編集機能が表示される。画面上部のツールバーから挿入したい要素を選択するだけで、手軽にページに書込み可能となっている。しかも、テキストデータにとどまらず、写真、アドレス帳、音声などのデータもページに貼り付けられてしまうのだから驚きだ。特に、iPhoneでその場で撮った写真や音声を手帳で扱えるのはデジタルならでの大きなメリットといえるだろう。
さらに、i手帳の最新バージョンでは、Googleカレンダーとの同期がサポートされ、より便利になった。スケジュールのGoogleカレンダーとの同期、イベントのインポート/編集が行えるため、デスクトップコンピュータからのスケジュール確認、プロジェクトで共有されているカレンダーの利用なども、簡単に行えるのが嬉しい。また、「Alarm for Organizer」という名称のアラーム専用カレンダーが、Googleカレンダー上に自動作成されることで、i手帳で作成されたデータを、ネットワークに繋がっていない状態でも「アラート通知」(標準「カレンダー」アプリとGoogleカレンダーと同期させる必要があり)で受け取ることができる。
設定アプリから i手帳の設定を表示し、Googleアカウントのユーザー名とパスワードを入力する(左)、i手帳のナビゲーションバーから、「インポート」ボタンをタップして、Googleカレンダーの読み込みを行う(右) |
もうひとつ手帳アプリを活用する際に気になるのが、バックアップの問題ではないだろうか。せっかく書き込んだデータが、不慮の事故によりすべて失われてしまうといった事態は、ユーザーにとっては死活問題。しかし、i手帳ならWi-Fi経由での単純なファイル転送だけでなく、MacまたはPCにデータをすべてバックアップ/復元する手段も用意されており安心だ。なお、バックアップの際には、別途メーカーWebサイトから、「i手帳Sync」(OrganizerSync)をダウンロードして利用する必要がある。
i手帳のナビゲーションバーから、「データ出力」ボタンをタップして、「ファイル転送」を選択する。WEBブラウザやi手帳Syncを使って、Wi-Fi経由でi手帳のデータを通信できる(左)、i手帳のデータをMacまたはPCにまるごとコピーすることができるソフトウェア「i手帳Sync」。メーカーWebサイトから、無償でダウンロードすることが可能(右) |
電子手帳というと、情報の整理整頓はできるが、レイアウトや書込みに制限があり、ユーザーが思った通りに、ページを作るのは困難な場合も多い。その点、柔軟で自由度の高い使い勝手と、充実したスケジュール・TODO機能を持つi手帳は、多種多様な情報を一度に管理する必要があり、閃いたアイディアなどを自由に書き留めたいクリエイターなどにとっても最適といえるだろう。i手帳は、やはり紙の手帳が一番と考えている人にこそ、ぜひオススメしたいオーガナイザーアプリだ。
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価格 | 900円 |
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カテゴリ | 仕事効率化 | |
用途 | オーガナイザーツール |