2018年1月17日~19日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている「第10回 オートモーティブワールド(オートモーティブワールド2018)」においてロームは、「快適」「安全」「環境」の進化を支えるキーデバイスを搭載したソリューションデモや、次世代の自動車での活用を見込む各種の半導体デバイスの紹介などを行っている。
同ソリューションデモは、乗車から後者まで、一連の流れに沿って、ロームの半導体技術が貢献する各種機能を体験できるというもの。実際にコックピットに入って、体験することができる。
また、このほか同社では複数の新製品の紹介も行っている。例えば「高精細液晶パネル向け機能安全導入車載チップセット」は、液晶ドライバとタイミングコントローラの双方に正しく映像信号が送られているかを判断するもの。正しく映像が送られていない場合は、アラートを出して、映像が来ていないことを知らせるといったことができる。フルHDや3Kクラスの液晶パネルにも適用可能であるため、メータクラスタでの利用を同社では想定しているとするほか、電子ミラーのような常に映像が表示されていないと事故の原因となる部分での利用も想定されるとしている。同製品は現在、サンプル出荷中だという。
加えて、オーディオ関連の新製品として、自動車内でハイレゾ音源を忠実に再現する高音質設計を導入した高音質6chアナログボリュームLSI「BD34602FS-M」およびカーオーディオの高音質/多機能化を実現する車載用DSP/コーデック内蔵サウンドプロセッサ「BU32105EFV-M」の紹介が行われている。
同サウンドプロセッサは、自社製の多機能オーディオDSPと24ビットのΔΣ型DAC 5ch、高性能アナログフェダーボリュームなどを内蔵することで、ノイズフロアを引き下げ、微細な音楽信号まで再現することを可能にしたもの。一方のボリュームLSIは、各製造工程に対しても音質を決定する28のパラメータの最適化にこだわったほか、独自のボリュームゲインを切り替えるときに発生するポップノイズを低減する機能「アドバンスト・スイッチ」も内蔵するなど、PHVやEVといった車室が静かな環境においいて、低ノイズ・高音質を提供することを可能とするものとなっている。
このほか、同社ブースでは開発中の製品も複数紹介されている。例えばグループ会社であるラピスセミコンダクタが開発を進めている「車載後方カメラ向けディスプレイコントローラ」は、同社が従来から手がけてきたエンジンスタート直後からのカメラ表示といった機能はそのままに、フレームメモリ(DRAM)を1チップ化して収めることで、PinPといった画面合成などを自由に行うことが可能となっている。現行世代はHDの解像度対応だが、開発品はフルHDに解像度が引き上げられるとのこと。すでにサンプル出荷を開始しており、2018年秋ごろに量産を予定しているという。
もう1つラピスセミコンダクタは「車載モニタ向け異常検出機能付きディスプレイコントローラ」の開発も進めている。こちらは、ディスプレイに応じたゲイン、オフセット、色相、ガンマ調整を可能とするもので、かつマルチウインドゥスクリーンディスプレイ機能により、最大30個のアイコンなどのパーツを自在に配置することも可能としている。さらに、故障検知機能も搭載しており、インタフェースに異常を検知した場合、エラーを出すことで、故障が発生していることをドライバーに伝えたり、といったことも可能となっている。こちらもサンプル出荷中で、やはり2018年の秋ごろの量産出荷を予定しているという。