英Armは現地時間の2月14日、Armv8.1-Mアーキテクチャを発表した。あくまで今回はアーキテクチャの発表で、まだ具体的にIPが提供されるといった話にはなっていないが、すでにWhite PaperやArchitecture Reference Manualも提供されているので、これらをベースにこのArmv8.1-Mを説明したいと思う。

Armv8-MのアップデートとなるArmv8.1-M

Armv8.1-Mは、現在のArmv8-Mベースの製品(Cortex-M23/M33/M35P)の後継製品向けとなるアーキテクチャというか、Armv8-Mのアップデートとなる。

実際主要なArmv8-Mの特徴はそのまま継承されており、Reference Manualのタイトルですら「Armv8-M Architecture Reference Manual」のままである。ではどんな点がアップデートされたかというと、以下の通りとなる。

  • Neonに似たVector Instruction Extension(MVE:M-profile Vector Extension)をサポート(このMVEに「Helium」というブランド名がついている)
  • 分岐予測に、Low Overhead Branch Extensionをサポート
  • FPUにHalf-Float(FP16)のサポートを追加
  • TrustZoneの対象にFPUを追加
  • MPU(Memory Protection Unit)に新たな属性を追加
  • PMU(Performance Monitoring Unit)や特権無しデバッグ拡張、Signal Processing向けデバッグ拡張などを追加
  • RAS(Reliability, Availability and Serviceability) Extensionを追加

(次回は2月20日に掲載します)