今回のお題は、技術というより素材の話で、そういう点では前回に取り上げた炭素繊維複合材料と同じになる。そこでお出まし願うのが、ポリカーボネート樹脂。
ポリカーボネートは熱可塑性樹脂で、ベースとなるモノマー同士を接合してポリマーを構成する際に、その接合部がすべてカーボネート基で構成されるのが名称の由来。つまり「ポリ」「カーボネート」である。→連載「航空機の技術とメカニズムの裏側」のこれまでの回はこちらを参照。
耐衝撃性と透明性の高さが買われる
ポリカーボネートの特徴は、耐衝撃性の高さ。何かがぶつかったときに、強化ガラスみたいに粉々に砕ける代わりに、伸びて変形しながら衝撃を吸収する。やったことはないが、ハンマーで殴ったぐらいでは割れないぐらいだという。
この耐衝撃性の高さから、防弾ガラスに使われることもあるというが、航空機では窓の素材になる。側面はまだしも、前面の窓はバードストライクの可能性が付いて回るから、耐衝撃性が高い素材はありがたい。特に、複雑な曲面で形成する戦闘機のキャノピーはポリカーボネートに向いている。