廃車になった新幹線電車の構体で使われているアルミ合金素材を再利用する話が、いろいろ実現している。まず、高い強度が求められない部位からリサイクルが始まったが、段階的にリサイクル材の導入範囲が拡がってきている。
といっていたら、空の上でも廃材のリサイクルという話が出てきた。手掛けているのはロールス・ロイスである。→連載「航空機の技術とメカニズムの裏側」のこれまでの回はこちらを参照。
エンジンの廃材を金属粉末化して3Dプリンタで利用
その計画の名称は “Tornado 2 Tempest” という。ここに出てくるトーネードとは、イギリス空軍で使用していた可変後退翼を持つ戦術戦闘機のこと。テンペストとは、イギリス、日本、イタリアが共同で開発に取り組む新戦闘機計画・GCAP(Global Combat Air Programme)のデモンストレーターのこと。
その計画の一環として、次世代機のエンジンで使用する可能性がある技術を用いた小型実証エンジン・オルフュース(Orpheus)を開発する話がある。その際に、用途廃止になったトーネード戦闘機の廃材をリサイクルする、というのがこの計画の趣旨。