「1.3」や「1.3.2」のように、それぞれの見出しの前に番号を付けたい場合もあるだろう。このような場合に活用できるのが「新しいアウトラインの定義」だ。この機能を使うと、レベルに応じた「見出し番号」を自動入力できるようになる。配置調整が少しだけ面倒ではあるが、便利な機能なので、ぜひ使い方を覚えておくとよいだろう。

  • 「新しいアウトラインの定義」の使い方

    「新しいアウトラインの定義」の使い方

「新しいアウトラインの定義」で見出し番号を自動入力

たとえば、以下の図のような文書を作成しているとしよう。現時点では「1.改修の基本方針」の「1.」のように、「見出し番号」を自分の手で入力している。また、それ以降の見出しは“番号なし”の状態になっている。

  • 見出し番号を自動設定する前の文書

    見出し番号を自動設定する前の文書

これらの見出しに番号を付けて、「1.1 働き方の変化への対応」や「1.2 環境配慮と省エネ対策」のように変更するにはどうすればよいだろうが? 自分の手でひとつずつ番号を入力していく方法もあるが、少し面倒だ。そこで、Wordに用意されている機能を使って「見出し番号」を自動入力する方法を紹介していこう。

なお、これらの見出しは「スタイル」により書式を指定しているものとする。スタイルの使い方がよく分からない人は、先に本連載の第21〜27回を読んでから、本稿を読み進めてほしい。

それでは「見出し番号」を自動設定する手順を紹介していこう。見出しの段落にカーソルを移動し、「アウトライン」コマンドから「新しいアウトラインの定義」を選択する。

  • 「新しいアウトラインの定義」を選択

    「新しいアウトラインの定義」を選択

「新しいアウトラインの定義」の設定画面が表示されるので、「オプション」ボタンをクリックして設定画面を拡張する。

  • オプションの表示

    オプションの表示

続いて、各レベルに対応付ける「スタイル」を指定していく。レベルに「1」が選択されていることを確認し、「レベルに対応付ける見出しスタイル」の項目を展開する。すると、スタイルの一覧が表示される。今回の文書では、1階層目(レベル1)の見出しに「大見出し」というスタイルを適用しているので、この一覧から「大見出し」を選択する。

  • レベル1に対応させるスタイルの選択

    レベル1に対応させるスタイルの選択

対応付けるスタイルを選択できたら、次は「番号書式」を指定する。ここにグレーの背景で「1」と表示されている部分が「Wordにより自動入力される番号」と考えればよい。この前後に文字を追加して、見出し番号の表記をカスタマイズすることもできる。たとえば、前後に「第」と「章」の文字を追加すると、「第1章」、「第2章」、「第3章」……という形で見出し番号を自動入力できるようになる。

  • 見出し番号の前後に追加する文字

    見出し番号の前後に追加する文字

同様の手順で、2階層目以降の設定を済ませていく。レベルに「2」を選択し、対応付けるスタイルを選択する。今回の例の場合、「中見出し」のスタイルを選択すればよい。ちなみに、今回の例では見出し番号を「1.1」、「1.2」、「1.3」、……という表記にするので、「番号書式」は初期値のままにしてある。

  • レベル2に対応させるスタイルの選択

    レベル2に対応させるスタイルの選択

念のため、3階層目の設定も紹介しておこう。レベルに「3」を選択し、対応付けるスタイルに「小見出し」を選択する。この見出し番号は「1.1.1」、「1.1.2」、「1.1.3」、……という表記にするので、こちらも「番号書式」は初期値のままで構わない。

  • レベル3に対応させるスタイルの選択

    レベル3に対応させるスタイルの選択

この文書の見出しは3階層目までしかないので、以上で基本的な設定は完了となる。設定画面の上部に各レベルに対応する「スタイル」と「番号書式」のサンプルが表示されているので、これを確認してから「OK」ボタンをクリックする。

  • 見出し番号の設定確認

    見出し番号の設定確認

それぞれの見出しに見出し番号が自動入力される。なお、「大見出し」の段落は、Wordが自動入力した「第1章」と自分の手で入力した「1.」の文字がダブって表示されてしまっている。

  • 自動入力された見出し番号

    自動入力された見出し番号

見出し番号を自動入力する場合、この「1.」は不要なので速やかに削除しておこう。「1.」の文字を選択し、「Delete」キーで削除する。

  • 不要になった見出し番号の削除

    不要になった見出し番号の削除

画面を下へスクロールしていくと、以降の見出しにも適切な番号が自動入力されていることを確認できる。ただし、いくつかの不具合も見受けられる。

具体的には、(1)レベル2以降の見出しにインデントが設定されている、(2)「見出し番号」と「見出し文字」の間隔が広すぎる、といった問題を確認できるはずだ。続いては、これらの問題を解消するための設定について解説していこう。

  • 自動設定された間隔とインデント

    自動設定された間隔とインデント

インデントと間隔の調整

先ほど出てきた問題を解消するには、「新しいアウトラインの定義」の設定画面を再表示して、インデントや間隔に関連する項目を指定しなおす必要がある。見出しの段落にカーソルを移動し、「アウトライン」コマンドから「新しいアウトラインの定義」を選択する。

  • 「新しいアウトラインの定義」の呼び出し

    「新しいアウトラインの定義」の呼び出し

まずは、レベル2以降のインデントを解消する方法から紹介していこう。なお、今回の文書の「レベル2」は少し特殊な例になるので、「レベル3」から操作手順を解説していこう。レベルに「3」を選択すると、「左インデントからの距離」に15mmという値が設定されているのを確認できる。

  • 自動設定されているインデント

    自動設定されているインデント

この値を0mmに変更して「OK」ボタンをクリックすると、勝手にインデントが設定されてしまう問題を解消できる。

  • 「左インデントからの距離」を0mmに変更

    「左インデントからの距離」を0mmに変更

結果は以下の図の通り。3階層目の見出しのインデントが0mmに戻っていることを確認できるだろう。その一方で、「見出し番号」と「見出し文字」の間隔が広すぎる、という問題が新たに発生してしまう。

  • インデントを0mmに変更した見出し

    インデントを0mmに変更した見出し

これは「番号に続く空白の扱い」に「タブ文字」が初期設定されていることが原因だ。もういちど「新しいアウトラインの定義」の設定画面を開き、「番号に続く空白の扱い」を「なし」に変更する。

  • 「番号に続く空白の扱い」を「なし」に変更

    「番号に続く空白の扱い」を「なし」に変更

このままでは「番号」と「文字」の間隔がなくなってしまうので、「番号書式」の最後に「全角スペース」を挿入することにより適当な間隔を確保する。以上で、配置調整に関連する設定変更は完了。「OK」ボタンをクリックする。

  • 見出し番号の最後に「全角スペース」を挿入

    見出し番号の最後に「全角スペース」を挿入

番号の後に「全角スペース」を挿入した形で、それぞれの見出しが表記されるようになる。これで3階層目の見出しの配置を調整できたことになる。

  • 間隔を「全角スペース」に変更した見出し(レベル3)

    間隔を「全角スペース」に変更した見出し(レベル3)

同様の手順で「レベル1」についても、番号の後を「全角スペース」に変更しておくと、適当な間隔で文字を配置できるようになる。

なお、「番号に続く空白の扱い」には「スペース」という選択肢も用意されている。こちらは番号の後に「半角スペース」を挿入する設定となる。ただし、半角スペースでは少し間隔が狭すぎるようなので、今回の例では番号の後を「なし」にして、代わりに「番号書式」の最後に「全角スペース」を追加する方法を紹介した。これについては個人の好みともいえる問題なので、各自の好きな方法を採用するとよいだろう。

もともとインデントが指定されていた場合は?

続いては、後回しにした2階層目の見出しについても説明しよう。この見出しは少し特殊な存在だ。というのも「左の罫線」を描画しているため、2.1mmのインデントがもともと設定されていたからだ。また、罫線と文字の間隔を確保するために「字下げ」の書式も指定されていた。

  • もともと指定されていた「インデント」と「字下げ」

    もともと指定されていた「インデント」と「字下げ」

このように、もともと「インデント」や「字下げ」が指定されていた場合は、それを再現するように「新しいアウトラインの定義」を設定しなければならない。

「新しいアウトラインの定義」の設定画面を開き、レベルに「2」を選択する。続いて、もともと指定されていたインデントと同じ2.1mmを「インデント位置」に指定する。さらに「字下げ」に相当する値として、「左インデントからの距離」に適当な数値(今回の例では4mm)を指定する。このように設定を変更すると、インデントは2.1mm、見出し番号を4mmの位置から開始する、という状態を作り出せる。

  • 「インデント位置」と「左インデントからの距離」を指定

    「インデント位置」と「左インデントからの距離」を指定

また、先ほどと同様に「番号」と「文字」の間隔を調整しておく必要もある。「番号に続く空白の扱い」を「なし」に変更し、「番号書式」の最後に「全角スペース」を挿入する。以上で設定変更は完了。「OK」ボタンをクリックする。

  • 間隔を「全角スペース」に変更

    間隔を「全角スペース」に変更

すると、以前と同じ配置のまま、2階層目の見出しに番号を自動入力できるようになる。少し特殊な例となるが、配置調整の応用として頭に入れておくとよいだろう。

  • 配置を調整した見出し(レベル2)

    配置を調整した見出し(レベル2)

見出し番号の自動調整

最後に、「見出し番号の自動入力」が便利に機能してくれる場面を紹介しておこう。この機能を使うと、いちいち手作業で番号を入力(修正)しなくても、正しい番号を自動付加できるようになる。

たとえば、以下の図に示した位置に新しい見出しを挿入するとしよう。まずは、普通に見出しの文字を入力する。

  • スタイルの適用前

    スタイルの適用前

続いて、この段落に「小見出し」のスタイルを適用すると、「2.3.2」の見出し番号が自動付加される。さらに、以降の見出し番号も自動調整される。以前は「2.3.2 来客対応エリア」と表記されていた部分が、「2.3.3 来客対応エリア」に変化していることを確認できるだろう。「2.3.3 休憩スペース」→「2.3.4 休憩スペース」についても同様だ。

  • スタイルの適用後

    スタイルの適用後

このように、状況に応じて番号を自動調整してくれるのが「見出し番号の自動入力」の利点といえる。これらの番号を自分の手で入力していた場合は、文書の構成を変化させる度に番号を自分の手で修正しなければならない。状況によっては、番号を修正し忘れてしまう可能性もあるだろう。

こういった手間やミスを未然に防ぐためにも、「新しいアウトラインの定義」の使い方を覚えておくとよい。ただし、インデントや間隔調整の初期値が“一般的な日本語の文書”とは異なるため、ある程度のカスタマイズが必要になる。これが「使いづらい部分」といえるが、それ以上の恩恵を受けられるので、気になる人はぜひ試してみてほしい。