NTT東日本は10月26日、同社のデータサイエンティストである本堂貴也氏が、Kaggleで開催されたコンペティション「Biohub - Cell Tracking During Development」において、3947チーム中7位に入賞したと発表した。本堂氏は個人で参加し、金メダルを獲得した。

  • NTT東日本のデータサイエンティスト 本堂貴也氏

    NTT東日本のデータサイエンティスト 本堂貴也氏

今回の金メダル獲得により、本堂氏はKaggleのコンペティション参加者約22万人のうち、上位約1%に相当する「Kaggle Master」に昇格した。

3947チームが参加、細胞の動きをAIで追跡する技術を競う

Kaggleは、世界中のデータサイエンティストやAIエンジニアが機械学習モデルの精度などを競うプラットフォーム。企業や研究機関が提供するデータセットを用いたコンペティションが開催され、参加者は課題に応じたアルゴリズムを開発する。

今回、本堂氏が参加した「Biohub - Cell Tracking During Development」は、生物医学分野の非営利研究機関「Biohub」が主催し、2026年6月29日から9月29日まで開催された。

課題は、ゼブラフィッシュの胚を3次元顕微鏡で連続撮影した画像データを使い、個々の細胞を検出・追跡するとともに、細胞分裂による系譜を再現するアルゴリズムを開発するというもの。

細胞の追跡作業は現在も研究者の手作業に依存する部分が多く、AIによる自動化が実現すれば、発生生物学や疾患研究の加速につながると期待されている。

細胞分裂の検出に工夫、Kaggle Masterに昇格

本堂氏によると、今回の課題では細胞の位置を追跡するだけでなく、発生頻度の低い細胞分裂を正確に検出することが重要だったという。

そこで、実際の顕微鏡画像やAIの予測結果を詳細に観察し、細胞分裂時のパターンや傾向を分析。複数のアプローチを組み合わせ、細胞分裂を検出する手法を構築した。

同氏は、これまで画像認識や物体追跡を扱うコンペティションに参加してきた経験を今回の課題に生かしたとしている。

Kaggleでは、コンペティションの成績に応じて参加者に称号が与えられる。上位から「Grandmaster」「Master」「Expert」「Contributor」「Novice」の5段階に分かれており、Masterへの昇格には金メダル1枚と銀メダル以上2枚の獲得が必要となる。

同氏は今回の金メダル獲得によって昇格条件を満たした。NTT東日本によると、2026年10月14日時点で、Masterは世界に約2330人、日本には約302人いるという。

同社は、データサイエンティストのスキルを測る指標の一つとしてKaggleでの実績を位置付けており、今後もデータサイエンス分野の人材育成を推進する方針だ。