富士通は10月22日、ミスミグループ本社の商品情報管理業務にマルチAIエージェントを導入したと発表した。ECサイトに掲載する数万点の商品を対象に、9つのAIエージェントが商品情報の生成や分類、評価などを担当する。ミスミは10月から実運用を開始している。

9つのAIエージェントが商品情報を生成・評価

ミスミでは、取扱商品の拡大に伴い、商品カテゴリの分類や仕様情報などの登録対象が増えていた。特に新規商品やシリーズの登録には、複数のシステムや外部サービスを使った確認・登録作業が必要で、ECサイトへの掲載までに時間を要することが課題になっていたという。

今回構築した業務フローには、富士通のオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS」を活用。商品情報の収集や前処理から、AIによるデータの生成・評価、人による最終確認までを一連のプロセスとして実行する。

9つのAIエージェントは、シリーズ名称の生成、カテゴリ候補の提示、仕様情報の抽出、禁則文字の確認、候補の妥当性評価など、それぞれ異なる役割を担う。情報の候補を提示するだけでなく、AIエージェント同士で妥当性を評価し、処理精度を高める仕組みとなっている。

  • マルチAIエージェント活用イメージ

    商品情報管理業務におけるマルチAIエージェント活用イメージ

さらに、担当者による確認・承認を組み合わせ、表記ゆれや分類のばらつきを抑える。従来は手作業に依存していた確認・登録作業をAIエージェントが支援することで、担当者の業務負荷を軽減するとしている。

業務知見を取り込み、約2.5カ月で実運用へ

業務フローの構築では、富士通のForward Deployed Engineer(FDE)がミスミの業務担当者と連携し、現場部門からのフィードバックを取り入れながら継続的に改善を進めた。その過程で、商品情報管理における判断基準や確認方法などの業務知見をAIエージェントへ反映している。

こうした取り組みに加え、担当者による確認・承認プロセスを組み込むことで、プロジェクトの開始から約2.5カ月で実業務への適用に至った。

富士通は今後、構築したデータモデルやAI処理基盤、業務フローの適用範囲を段階的に広げる。まずは、サプライヤーから受領する商品データの取り込みから商品マスタ管理までを含む商品情報管理業務への展開を進める計画だ。周辺システムとの連携や他業務への適用も推進し、将来的には担当者による最終確認と承認を含む業務プロセスのさらなる自動化を目指す。