Microsoftは、WinUI Gallery 3.0 is here: TableView, Charts, InkCanvas and moreにおいて、Windowsアプリの開発支援ツール「WinUI Gallery」をバージョン3.0に更新した。実験段階のUI部品を開発者が正式公開前に試用し、改善に向けた意見をフィードバックできる仕組みを導入した。新たなUI部品のサンプル追加や検索機能の改善も行われている。

開発者は新しいユーザーインタフェース(UI)部品を正式リリース前に試用し、その使用感や改善点をMicrosoftにフィードバックできる。

  • Windowsアプリの開発支援ツール「WinUI Gallery」の最新版であるバージョン3.0が公開された 出典:Microsoft

    Windowsアプリの開発支援ツール「WinUI Gallery」の最新版であるバージョン3.0が公開された 出典:Microsoft

Microsoft、正式公開前のUI部品を試せる仕組みを導入

WinUI Galleryは、WindowsアプリのUI要素や動作を確認するための開発者向けサンプルアプリだ。各種コントロールの表示や操作を実際に試せるほか、関連するコード例も確認できる。開発者はこれらを参考に、Microsoftのデザイン体系やガイドラインに沿ったアプリを制作可能で、Windows 11の標準アプリに近い外観や操作性を実現するうえで役立つツールとなっている。

従来、WinUI Galleryに新しいコントロールが追加されるのは、対象の機能がWindows App SDKの安定版として公開された後だった。その段階では、開発者が実際に使用して問題点を報告しても、Microsoftがフィードバックを受けて仕様を変更する余地は限られていた。

バージョン3.0では、実験段階のWindows App SDKコンポーネントもアプリ内で確認できるようになった。これにより、開発者は正式な安定版の公開を待たずに新しいコントロールを評価し、改善に向けた意見を伝えられる。Microsoftは、開発者から早い段階で意見を集めることで、機能の設計や使い勝手を見直す機会を得る。

今回の更新では、操作性や検索機能にも変更が加わった。マウスの戻るボタンと進むボタンを使って、ブラウザーと同様にGallery内のページを移動できる。検索機能では各コントロールのページに検索用タグを設定した。これにより、コントロール名そのものを入力しなくても、「context menu」「carousel」「WCAG」などの関連語から目的のページを探せる。

検索結果が見つからない場合の案内も改善された。入力した検索クエリーと検索のヒントが表示され、すべてのサンプルを閲覧するためのボタンも表示される。

表やグラフの新UI部品を追加、検索機能も改善

実験段階のコントロールを利用できるようになったことで、サンプルも増えた。追加されたものには、TableView、Charts、Wrap Panel、LayoutPanelが含まれる。これらは、データを表形式やグラフなどで表示し、利用者が情報を把握しやすくするためのUI要素だ。開発者は各サンプルを確認し、自身のアプリに適した表示方法を検討できる。

Microsoftは2018年以降、Windowsアプリ開発者向けのショーケース型ツールを提供してきた。現在のWinUI Galleryという名称になるまでには、いくつかの名称変更もあった。なお、WinUI Gallery 3.0というアプリのバージョン名は、現在のUIフレームワーク「WinUI 3」とは別のものだ。名称が似ているものの、両者のバージョンに関連はない。

WinUI Galleryは一般のPC利用者が日常的に使うアプリではないが、Windows向けソフトウェアを開発する人々にとって、UIの実装方法やコードを学べる実用的な資料となる。実験段階の機能を早期に試せる環境が整ったことで、Microsoftは開発者の意見を取り込みながら、Windows 11向けアプリのUI改善を促す構えだ。

WinUI Gallery 3.0はMicrosoft Storeで入手でき、ソースコードはGitHubで公開されている。