リコージャパンは9月10日、オンプレミス環境での生成AI活用を導入から運用までワンストップで支援する「RICOH オンプレLLMスターターキット」のエッジモデルに、自己改善型AIエージェント「Hermes Agent」を新たに搭載し、提供を開始した。
AIエージェント活用拡大で高まるコストとセキュリティへの課題
昨今、企業で生成AIの活用が進む中、定型業務の自動化だけでなく、調査や分析、意思決定支援などの非定型業務への適用も広がっており、単一の問い合わせに応答するチャット型AIの利用や、複数の業務プロセスを自律的に実行するAIエージェントへの関心が高まっている。
一方、AIエージェントは高度な推論やタスク実行のためにLLM(大規模言語モデル)を繰り返し利用することから、API利用料が増加しやすいほか、業務データや機密情報の外部送信に対する懸念もあるため、コストとセキュリティの両立が企業における導入・活用の課題となっている。
業務手順を学習・再利用する自己改善型AIエージェントを搭載
こうした課題に対応するため、RICOH オンプレLLMスターターキットのエッジモデルに新たにHermes Agentを搭載した。同モデルは、超小型デスクサイドAIサーバ「Dell Pro Max with GB10」にリコー製のLLM、生成AIアプリ開発プラットフォーム「Dify」をプリインストールし、生成AIをセキュアに活用するために必要な環境を構築したうえで提供している。これにより、特別な設定を行うことなく、手軽にAI活用を開始できるという。
Hermes Agentは、ユーザーとの対話を通じて業務を自律的に実行するAIエージェント。回答生成に加え、必要な作業手順を判断しながらOS操作やファイル処理などのタスクを実行する。また、タスクの実行過程で得られた作業手順をスキルとして蓄積・再利用するため、ユーザーが利用を重ねるなかで業務手順やノウハウを継続的に蓄積し、効率的で高い再現性で業務を遂行するとのこと。
ユーザーは社内ネットワーク上の各PCからHermes Desktopアプリケーションを通じてHermes Agentを利用でき、ユーザーごとに必要な業務手順やノウハウを蓄積・活用することが可能。オンプレLLM環境での利用により、機密情報を外部に送信することなく利用できるほか、トークン数に応じた従量課金が発生せず、コストを気にすることなくAIエージェントを業務に活用することを可能としている。
さらに、定型業務の自動化・アプリケーション化を担うDifyが定型業務、Hermes Agentが個別判断を伴う非定型業務をそれぞれ担い、生成AIの活用範囲を拡張するとしている。これにより、従来の定型業務の自動化に加え、高度で自律的な業務プロセスの実現を支援する。
