Windows Centralは4月2日(米国時間)、「US PC sales grew in 2025 as companies scrambled to ditch Windows 10, but 2026 could be a disaster in waiting|Windows Central」において、2026年のPC販売台数が減少する可能性を伝えた。
これはコンサルティング企業「Omdia」が3月30日(英国時間)に公開した市場調査レポートにて明らかにした予測(参考:「Omdia: US PC market returned to 3% growth in Q4 2025 as Windows 11 refresh and component cost increases converged」)。
レポートによると、2025年はWindows 10のサポート終了に伴う買い替え需要や、年末年始の需要増などが影響し、米国内における第4四半期のPC出荷台数(タブレットを除く)が1820万台(前年同期比で約3%増)に達した。ところが、2026年はこの流れに水をさす状況が生まれ、前年比で1割以上減少する可能性があるという。
なぜPC販売は減る?AI需要でパーツ不足、メモリ・SSD価格が高騰
出荷台数減少の主な要因は、AIデータセンター建設ラッシュに伴うPCパーツの供給不足と指摘されている。メモリおよびストレージの供給が大幅に制限されており、米国内の2026年PC出荷台数は前年比で約13%減少することが予測されている。
公開された予測グラフを確認すると、2026年に出荷台数が急減し、2025年と同数に回復するのは2029年頃と予測していることがわかる。つまり、上昇したパーツ価格が安定するまでに、3年ほど時間がかかる可能性を示唆している。
この予測は米国内の市場を対象としたものだ。しかしながら、Windows Centralはアジア太平洋地域においても同じ動きが予測されると分析しており、国内においても同様の状況になる可能性がある。
低価格PCは消える?コスト上昇でエントリーモデル撤退の可能性
メモリおよびストレージの調達コストは2025年初頭から約40~70%上昇を続け、2026年第1四半期には主力PC製品を中心にさらに60%増加することが予測されている。この価格上昇だけでも十分に懸念される状況だが、Windows Centralは急激な価格上昇がエントリークラスの製品に影響を与え、2028年には同クラスの製品が市場から完全に姿を消す可能性があると指摘している。
PCは再び高級品に?学生向け低価格モデル維持が課題に
エントリークラスの存在しないPC市場と言えば、インターネット普及前の状況が思い起こされる。廉価な製品でも20万円以上が当たり前で、価格の上昇が指摘される現在よりも高価な商品だった。
学生1人に1台など考えられない時代だったが、同じような状況が再び訪れる可能性がある。Windows Centralはこのような状況の中、Appleの新製品「Macbook Neo」がiPhone 16のプロセッサーを採用するなどして価格を抑えたことを指摘し、エントリークラスの維持が今後の課題になる可能性を伝えている。
企業や個人への影響は?PC更新コスト増で導入計画に影響も
PC価格の上昇は、企業および個人の双方に影響を与える可能性がある。
企業においては、Windows 10のサポート終了に伴うPC刷新のタイミングと重なることで、想定以上のコスト増につながる懸念がある。特に大規模な端末更新を予定している企業では、調達時期の見直しや、導入台数の抑制、リース期間の延長といった対応を迫られる可能性がある。
また、メモリやストレージ価格の高騰が続く場合、同一予算で調達できるPCのスペックが低下することも考えられる。このため、業務効率への影響や、IT投資全体の再配分を検討する必要が生じる可能性もある。
一方、個人においても、PCの買い替えハードルは確実に上昇する。特にエントリークラスの製品が減少した場合、これまで数万円台で購入できていた層が、より高価格帯の製品を選択せざるを得なくなる可能性がある。
その結果、買い替えサイクルの長期化や、中古市場へのシフト、あるいはスマートフォンやタブレットでの代替利用といった動きが広がる可能性もある。
