
私が代表を務めている東京女子経営塾は、2026年4月に女性経営者を育成する「西荻経営塾」を開校します。名称は、東京女子大学の所在地である東京・西荻窪に由来しています。
内閣府の調査によると、日本の女性取締役の比率は14%まで高まっていますが、中身を見ると社外取締役が多く、1人の方が複数社を兼ねています。一方で執行を担う女性の比率は4%というのが現状です。
そもそも、なぜ女性取締役の数を増やさなければならないのか?という原点に立ち戻ると、イノベーティブな業績を上げている企業は女性取締役の役割が大きいという、米マッキンゼーの報告書から始まっています。
ただ、社外取締役ではなく、執行を担わなければ企業の変革はできませんから、この部分にダイバーシティが必要で、一丁目一番地は女性の登用です。しかし、まだ実現できていません。これは女性がいた方が変革が起こりやすいということに腹落ちしていない経営者が多いからではないかと思います。
様々な統計の結果、女性がいて、多様性が確保されている企業の業績はいいわけですから、どの経営者も総論では賛成だと思います。しかし、20数年間、いろいろな方が旗振りをしてきましたが、執行を担う女性の比率は4%にとどまっています。
私はこれまで外にむかって「女性の登用を」とはあえて言わない立場を取ってきましたが、大企業での立場からも自由になりましたから、誰かが声を挙げないと、日本企業が揺さぶられることはないのではないかと考えました。この「西荻経営塾」は日本の企業風土を揺さぶる1つのきっかけになるのではないかと思います。
多くの企業のCEO(最高経営責任者)と話をしていると皆さん口を揃えて、「女性が執行役候補のパイプラインにいない」とおっしゃいます。しかし、男女雇用機会均等法が施行されてから40年、ダイバーシティが企業にもたらす効果が叫ばれてから20年以上経つ中で、パイプラインに女性がいないということ自体が反省すべき点であり、言い訳にはならないと思います。
自社のパイプラインにいないのであれば、他社から獲得するのも1つの方法でしょうし、パイプラインを太くする努力が必要ですし、太くできないのであれば、そこに欠陥があるはずから、その改善にチャレンジしなければなりません。
この改革はCEOが旗を振らないと難しいものです。下からの積み上げでは、現場でのやらない言い訳に阻まれてしまうからです。今は徐々に、これが女性だけの問題ではないことが理解されてきています。
私に対しても、女性役員を増やすために必要なことは何か?について質問を受けることが増えました。西荻経営塾のアドバイザリーボードのメンバーをはじめとして、色々な方と議論をしてきました。
これまで女性役員が増えなかったことについては、きちんと振り返ることが必要ですし、状況を変えなければ、日本企業は男性同士、似たもの同士で経営することが続き、そこに変革は生まれません。
また、女性経営者や役員クラスの女性は、孤独に陥りやすいということが言えます。ロールモデルが必要だと言われますが、私自身にもいませんでした。それよりもざっくばらんに、様々な悩みを自分視点で相談できる人が欲しかったというのが正直なところです。その意味で、参加者同士のネットワークが構築されることも期待しています。