前年同期比で約3倍増の売り上げを計上
Micron Technologyが3月18日(米国時間)、同社の2026年度第2四半期(2025年12月~2026年2月)の決算を発表した。
それによると、売上高は238億6000万ドル(約3兆7937億円。1ドル159円で計算、以下同様)で、四半期別の過去最高を更新した2026年度第1四半期(前四半期)比で74.9%、前年同期比に至っては196.3%増(約3倍増)という高い伸びを示す結果となった。
これに伴い、GAAPベースの営業利益も前四半期比163.0%増、前年同期比810.0%増161億3500万ドル(約2兆5655億円)、純利益も前四半期比163.1%増、前年同期比770.8%増の137億8500万ドル(約2兆1928億円)と売上高以上に高い伸びを示す結果としている。
DRAM、NANDともに前年同期比で2倍以上の伸長
事業部門別に売上高を見ると、「Cloud Memory Business Unit」が前四半期比46.7%増、前年同期比162.9%増の77億4900万ドル、「Core Data Center Business Unit」が前四半期比139.1%増、前年同期比210.8%増の56億8700万ドル、「Mobile and Client Business Unit」が前四半期比81.2%増、前年同期比244.9%増の77億1100万ドル、「Automotive and Embedded Business Unit」が前四半期比57.4%増、前年同期比161.9%増の27億800万ドルと全体的に大きく成長している。
全事業部門で大きく成長した背景として同社では、従来型DRAM、HBM、NANDいずれも製品別売上高として過去最高を更新したことを挙げている。具体的には、同四半期におけるDRAMの売上高は約188億ドルで、前年同期比では207%増としている。一方のNANDの売上高は50億ドルで、こちらも前年同期比で169%増となったとしている。
先端プロセス製品群が成長をけん引
AI需要の高まりを背景に同社では、DRAMの最先端プロセスとなる1γ nm DRAMプロセスについて、同社の歴史上でもっとも生産量の多いプロセスノードになると予想されるとの見通しを示すほか、歩留まりの成熟速度についても史上最速で向上しており、2026年半ばまでにDRAMビット構成の大部分を占める規模に成長するとの見通しを示す。
また、次世代の1δ DRAMプロセスについては、最新世代のEUV露光装置を活用するほか、EUVリソグラフィの適用範囲を拡大するともしており、これらの高度なEUV露光装置と関連ソリューションは、1δ nmプロセス以降の微細化において、クリーンルームのスペース効率とパターニングの両方を最適化するのに役立つと同社では説明している。
Micronが語る最新世代のEUV露光装置の型番までは不明だが、2026年3月12日に福岡県が、北九州空港利用促進協議会およびDHLグローバルフォワーディングジャパンを含む形で、2025年末に北九州空港として、過去最大規模となる輸送案件として、約180トンの半導体製造装置をオランダのスキポール空港から貨物専用便(大型機)を用いて輸送したことを明らかにしており、複数のメディアが報じている。EUV露光装置を扱える半導体工場は、Micronの広島工場以外には近隣にはないことから、おそらくそのタイミングで今回Micronが言及したEUV露光装置が広島工場に運び込まれたのではないかと推察される。
一方のNANDについても、最新世代となるG9プロセスについて、2026年半ばまでにビット供給量の過半数を占めるという目標に向けて順調に進んでいることを強調。第2四半期においては、QLCビットの比率が過去最高を記録したともしている。
増産に向けて積極な設備投資を推進、日本でも新工場建設に着手
なお、同社は2026年度第3四半期の売上高見通しを335億ドル±7億5000万ドルとしており、過去最高をさらに更新し、かつ過去の年間売上高を上回る規模となると強気の姿勢を見せる。
また、メモリとストレージ分野において、あらゆる市場セグメントでAI時代を実現するための前例のない機会が存在すると見ており、2026年度に250億ドル以上を設備投資に回すとするほか、2027年度には設備投資額、研究開発投資ともにさらに増やす予定としており、中でも設備投資額は前年比で100億ドル以上増加する見込みとする。
同社は生産能力の拡大に向けて大規模投資を続けており、DRAM関連では、直近でPowerchip Semiconductor Manufacturing(PSMC)のP5ファブの買収完了と、第2工場の建設計画を発表しているほか、シンガポールのHBM向け先端パッケージング工場については、2027年より貢献する見込みとする。また、米国ではアイダホ州の新工場が2027年半ばに量産を開始する予定であり、第2工場の建設準備を開始したことも明らかにしているほか、ニューヨーク州の新工場についても建設に着手。初期の地盤整備作業については計画より順調に進んでいるとする。さらに、日本の広島工場についても、将来の技術移転を実現するべくクリーンルームの拡張に向けた地盤整備を開始したことも明らかにした。
一方のNANDについても、シンガポール新工場が2028年後半より生産を開始する予定とするほか、インドの後工程工場から出荷を開始したことを明らかにしている
このほか、同社では、メモリの供給ひっ迫を踏まえ、従来の長期契約(LTA)とは別の、複数年にわたる具体的な約束を盛り込んだ戦略的顧客契約(SCA:Strategic Customer Agreements)を顧客と締結することを推進しているとのことで、これにより顧客としても事業計画を立てるときの確実性が高められるようになるとともに、Micronとしてもビジネスモデルの透明性と安定性を向上させることができ、幅広い製品ポートフォリオ全体にわたって長期的な関係を構築することにつながると強調。第2四半期において、同社としては初の5年間のSCAを締結したとしている。




