三ツ星ベルトが新規事業として次世代パッケージに使われるガラス基板製品の開発に取り組んでいる。すでに独自の低温銀ペーストでビアを埋めた製品をデモしており、アスペクト比は1:20まで可能としている。ベルト関連の技術とはまったく関係のないガラス基板に乗り出した背景には、電気自動車(EV)台頭による危機感がある。
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三ツ星ベルトは、自動車の内燃機関に欠かせない発電機向けなどのベルトの売上がほとんどを占める。しかし将来の成長性に危機感を抱き、20年以上前からエレクトロニクス関連技術の開発をはじめた。
その成果のひとつとしてセラミックス基板があり、ビア(導通穴)に銅ペーストを充填して熱処理後に鏡面に仕上げたものを販売している。放熱性の高さからレーザーダイオードのサブマウント基板などに使われている。印刷方式で配線したものは半導体製造装置にも組み込まれるセラミックヒーターになる。
このようなセラミックで培ったノウハウを反映したのが、ガラス基板技術だ。低熱膨張係数(CTE)で寸法安定性に優れるガラス基板だが、微細なビア形成やペーストの充填性が難しいところだ。
そこで同社は、高周波帯域半導体パッケージのインターポーザー基板への適用をめざして、貫通ガラス孔(TGV)充填ソリューションの開発を進めている。
ガラス基板への充填用に低温焼成タイプのペーストを使い、あえて多孔質構造な厚膜充填ビアを形成。ガラス基材と充填金属間の熱応力を軽減し、パッケージの信頼性を高めようとしている。
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三ツ星ベルトのビア充填基板のイメージ(この画像では銅が用いられている)。同社によると、独自配合の銅ペーストを用いる高導電無収縮充填工法によって、さまざまなビアに均一に充填できることを特徴としている (出所:三ツ星ベルト公式サイト)
同社はこのビア充填基板の仕様を、先端電子部品や実装装置の展示会「第40回 ネプコン ジャパン」(会期:1月21~23日)で示した。それによると、ガラスおよびガラスエポキシ基板ともに、サイズは2×2×4.5インチ、厚さは0.2〜1.0mm。穴径のアスペクト比は1.0〜10.0で他社と同様だが、1:20も可能としている。
ガラス(石英/無アルカリガラス)基板への充填金属は、銀または銅ペーストで、穴径は0.05〜0.5mm。焼成温度は、銀の場合が500〜600度、銅では400〜800度だ。比抵抗は銀で2〜4μΩ⋅cm、無アルカリでは3〜6μΩ⋅cm。焼成は大気中または窒素雰囲気で行う。
一方、ガラスエポキシ基板の場合は銀ペーストを使用し、焼成温度は200〜300度。大気中での作業になり、比抵抗は5〜8μΩ⋅cmとしている。
ビアを埋める材料として、独自の銀ナノ粒子分散体「MDot」があり、200度以下の低温加熱で、低抵抗かつ高熱伝導性が求められるペーストの焼結助剤として使われる。試作ニーズもでてきたこのガラス基板は、ペーストを充填した状態で出荷することにしている。
