さくらインターネットは3月2日、実験科学者のためのノートアプリケーション「eureco(エウレコ)」のオープンβ版の提供を開始した。

eurecoの概要

eurecoは、研究現場などで実験を行う際に便利なノートアプリケーション。実験過程で発生する条件や手順、結果、考察に加え、写真やデータなどの情報を一元的に収集・統合し、後からの検索、理解、再利用が容易にできることを特徴としている。

紙媒体も含む複数ツールに分散して管理されることが多かった記録や情報を体系的に整理し、研究活動における再現性向上とデータ管理の効率化に寄与するという。

具体的には、測定データやスマートフォンの写真、思考の断片などのフェーズで発生する情報を1つのノートに集約でき、散らばった記録を探す時間を削減し、研究の全体像を常に把握できる環境を提供する。

また、ドラッグ&ドロップで要素を組み替え、記録を整理することで、いつ・誰が見ても理解しやすいノートの作成を可能とし、後から読み返すときの「思い出すコスト」を最小化し、知見を積み上げやすくするとのこと。

さらに、データを単なる記録のみに留めず、試行錯誤のプロセスまでを関連付けて記録し、後から迷わず同じプロセスを再現できるようにするほか、さまざまなツールを行き来することなく、1つのノート上でデータの加工や可視化を直接行える。ツールを切り替えるたびに思考が中断されるストレスをなくし、試行錯誤をスムーズするという。

提供を開始するオープンβ版は、記録の構造化やデータの一元管理などの基本機能を無料で提供するもの。今後はオープンβ版の利用者から得られたフィードバックを反映し、正式版の提供を予定している。

eurecoの開発過程では、実験プロセスを体系的に整理する構造化アプローチを確立。この取り組みに関する研究成果は、AI国際会議「Neural Information Processing Systems(NeurIPS)2025」併催の「AI for Accelerated Materials Discovery(AI4Mat)Workshop」に採択されるなど、学術的な評価を得ている。これらの知見はeurecoにも反映され、再現性や再利用性の向上を支える基盤機能として実装を予定している。