Rapidus(ラピダス)は27日、都内で記者会見を開催し、政府や企業からの資金調達と今後の展開について戦略を説明した。同社の小池淳義社長は、最先端半導体受託生産企業としてTSMCのように生産規模は追わず、生産スピードを重視するというビジネスモデルに自信を深めており、10社ほどの顧客と量産に向けて話を詰めていると語った。

  • Rapidusの小池社長

    Rapidusの小池社長はビジネスモデルに自信をのぞかせるも、笑顔は少なかった

勢いが感じられるRapidusが照準を定めるAI分野の需要は予想以上に大きいというが、半導体業界の先行きは不透明かつ国家保安にもつながり、政府が黄金株を設定したのも当然といえる。半導体復権の要であるRapidusが2027年の量産開始をいかに実現するか、注目される。

今般の発表によると、Rapidusは政府から1000億円、民間32社から1676億円を調達し、資本金が2749億5000万円になった。出資したのは顧客やサプライヤー、金融機関などの国内企業。いまは政府が主要株主で、これから予定される1500億円を追加出資すると政府の出資比率は60%になる。

  • 資金調達の概要

    今般の資金調達の概要

  • 出資企業一覧

    出資企業一覧

「民間ならではのスピード感で進みたい」とするRapidusにおいて、平時は民間企業が議決権の80%をもつ。しかしかつてのエルピーダメモリのような経営問題に直面した場合、政府の議決権は11.5%から2/3ほどにまで増える。経済安全保障対策として拒否権のある黄金株も政府がもつことになっている。

だが2025~2031年度の累計では、民間企業の出資が1兆円を超えて主体になる見通し。また出資だけではなく今後は融資も求めていくとしている。

事業の成否を左右する顧客開拓は不安視されるところだが、小池社長は、「60社以上と議論中で試作をどんどん行っている。そのうち10社ほどが量産につながることになろう」とみている。AI需要を反映して先端プロセスへの要望は2nmから1.4nm、そして1.0nmへと日々高まっている。とくにロボティクス分野での要望が大きくなっている。

出資した企業の要求は量産規模ではなく、いかに短期間にAI半導体を生産できるか。このため「スピード重視の枚葉式というビジネスモデルを変えるつもりはない」と、自信を深めている。

当初計画の1300億円を上回る資金調達を行った小池社長だが、会見中は相好を崩すこともなく淡々と話を進め、「いつもまだ1合目にあると思って気を引き締めている」と語った。

  • Rapidusが日本経済へ与える貢献インパクトの概要

    Rapidusが日本経済へ与える貢献インパクトの概要