日立エナジーは2月27日、パカル・テクノロジーズとの間で、CSV(共通価値創造)と持続的成長に向け、高電圧モジュール向けシリコンパワー半導体の開発において協業することを発表した。

  • 日立エナジーの最先端パワー半導体製造施設

    パカル・テクノロジーズとの協業を発表した日立エナジーの最先端パワー半導体製造施設(出所:日立エナジー)

日立エナジーは、100年にわたる半導体製造の歴史と継続的な拡大を背景に、パワーエレクトロニクスのイノベーション推進に取り組んでいるという。一方のパカル・テクノロジーズは、電力変換をよりシンプルで優れた効率的なものにするために設立されたシリコンパワー半導体設計企業で、1980年代に登場したIGBT以来の新たな高電圧シリコンパワー半導体である「IGTO(t)」を手掛けている。

このIGTO(t)プラットフォームは、IGBTに比べ高電流・高温環境下での導通損失を30%低減しつつ、既存のモジュールアーキテクチャとの互換性も維持するもの。これにより、システムレベルで高い電力密度や熱・冷却要件の緩和、エネルギー効率の大幅な向上を実現できるとする。

そんな両社は今般、エネルギーシステムの効率向上に向けた協業を決定。具体的には、パカル・テクノロジーズが有するIGTO(t)を日立エナジーにおける高電圧パワーモジュールのポートフォリオに組み込み、鉄道・再生可能エネルギー・エネルギー貯蔵・AI・データセンターインフラなど重要な用途から順次提供していくことを目指すという。また今後は、3.3kV以上の高性能パワーモジュールを製品化して、世界各地の顧客に提供することを計画しているといい、重要な電化プロジェクトにおいてより高いパフォーマンスや運用コストの低減、長期的な信頼性の確保を実現するとした。

日立エナジーは、現代においてパワー半導体があらゆる重要なシステムに不可欠なものであり、高度かつ安定した送配電網を支える屋台骨であるとした上で、パカル・テクノロジーズとの協業により、世界的な電化の加速における重要課題である、高電圧帯におけるエネルギー損失の低減と電力変換効率の向上に取り組むとしている。