FRONTEOと丸石製薬や2月16日、FRONTEOのAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」を活用し、丸石製薬の全社的な創薬戦略を支援することを目的とした戦略的業務提携契約を締結したことを発表した。
AI活用による全社的な創薬支援へ
疾患の複雑化・多様化が進む近年では、創薬における新たな標的分子の探索がますます困難になっており、標的分子の“枯渇”が世界的課題となっている。こうした背景から2024年には、日本政府が「創薬力向上のための官民協議会」を立ち上げるなど、創薬エコシステムの構築を通じた創薬力強化が推進されている。
そうした中で締結された今般の契約は、両社が2025年1月より開始しているDDAIFを活用した共創プロジェクトに続く取り組みとのこと。丸石製薬ではこれまで、医薬品研究開発における成功確率および開発スピードの向上、ならびに競争力強化を目的とするAI創薬の活用を推進しており、その中でパートナーとして選定されたFRONTEOとともに、ドラッグリポジショニングおよびバイオマーカー探索に関する共創プロジェクトに取り組んできたとする。
なお両社によれば、特にドラッグリポジショニングに関する共創プロジェクトにおいて見出された適応症候補については、ウェット検証(細胞・動物などをもちいた生物学的試験)によって用量依存的な有効性が確認され、次の開発段階へ進むための具体的な成果が得られたといい、そうした成果が高く評価されたことを受けて協業関係をさらに進化させる形での新契約締結に至ったという。そして今回は契約に基づき、丸石製薬が保有する独自の知見およびデータベース情報と、FRONTEOが独自の解析手法によって抽出した創薬シーズに関する解析情報を組み合わせ、丸石製薬における創薬シーズ導入判断の高度化・効率化を図るとしている。
さらに来年度には、創薬研究開発全般に加えて、育薬やライフサイクルマネジメントなどへも提携領域を拡張していく予定だとする両社。その中でFRONTEOは、シーズ導入判断に関する取り組みの対価として丸石製薬から解析費およびコンサルティングフィーを受領するほか、導入後の研究開発および販売段階における成功報酬を受領するとした。
両社は今回の取り組みについて、創薬標的分子の枯渇という世界的課題に対し、AIを活用した新たなアプローチによって製薬企業の戦略的かつ継続的なパイプライン創出を支援するものだとした上で、日本発の革新的医薬品創出を加速させる、実効性のある創薬エコシステムのモデルケースとなることを目指すとのこと。また今般の業務提携契約に基づくサービス形態は、特定の疾患領域や研究部門に限定することなく、製薬企業の全社的な創薬戦略を横断的に支援できるDDAIFの新たな取り組みであり、FRONTEOとしてはこの取り組みを他の製薬企業にも拡充することで、成果に応じた非連続的な収益獲得を目指すとする。
また、創薬力の強化が産業競争力の向上に留まらず、医療安全保障の観点からも重要性を増しているとする両社は、今回の取り組みがその双方において基盤強化に直接的に貢献するものだと考えるとしている。

