FRONTEOと塩野義製薬は2月14日、認知症関連のAI(Artificial Intelligence:人工知能)プログラム事業、および、うつ病関連のAIプログラム事業に関する戦略的業務提携契約を締結したことを発表した。

両社はこれにより、FRONTEOの自然言語処理AI技術を活用して高性能な診断支援AIモデルと医療機器、非医療機器の開発と社会実装を目指す。精神神経疾患における診断を効率化して患者のQOL(Quality of Life)向上と医療従事者の負担軽減に貢献するという。

両社の提携内容

具体的には、FRONTEO独自のAIエンジン「KIBIT」を活用し、「認知症状判定装置等に係る発明」および「うつ症状判定装置等に係る発明」をベースとして、認知症診断支援AIモデルおよびうつ病診断支援AIモデルと、医療機器・非医療機器の共同開発に取り組む。また、事業化、早期市場浸透、市場拡大についても進める。

さらに、両社は協力して共同開発医療機器の薬事承認の取得についても目指すとしている。FRONTEOはAIモデルおよび医療機器・非医療機器の開発をはじめ、プログラム運用に関わる業務などを担い、塩野義製薬は臨床開発などを主体的に担う。

  • 診断支援AIプログラムのイメージ

    診断支援AIプログラムのイメージ

業務提携の背景

認知症やうつ病といった精神神経疾患は、国内外において重要な健康課題と位置付けられている。厚生労働省の発表によると認知症の患者数は増加傾向にあり(厚生労働省:認知症の人の将来推計について)、うつ病と躁うつ病を含む気分障害・感情障害の患者数も10年間で約3倍に増加しているという(平成30年版厚生労働白書-障害や病気などと向き合い、全ての人が活躍できる社会に-)。

これらの疾患の早期診断と治療を可能にするため、高精度かつ迅速で、専門医や専門医療機関以外でも広く活用できる検査方法の確立が求められる。また、科学的根拠に基づく非医療機器による自己診断方法の開発も必要とされる。これに対し両社は、AI技術による診断支援プログラムを実現すべく業務提携契約を締結する。