Synspectiveと仏Airbus Defence and Space(エアバス・ディフェンス・アンド・スペース)は、レーダー衛星データの活用に関する基本契約を締結したと2月10日に発表。この提携でエアバスは、Synspectiveが構築中の合成開口レーダー(SAR)衛星「StriX」コンステレーションのデータを取得・利用し、グローバルな地球観測能力の向上を図る。
両社が締結したレーダー・サテライト・データ・フレームワーク契約(radar satellite data framework agreement)について、Synspectiveは「欧州と日本の宇宙協力における重要な節目だ。SynspectiveのSARデータが、エアバスの地球観測ポートフォリオに統合されることになる」と説明している。
Synspectiveが、エアバスの既存顧客に対して供給するのは、StriXの最高分解能である25cmのSARデータ。スターリング・スポットライトやストリップマップといった、実証済みの観測モードで提供する。
StriXのデータは、エアバスが現在運用中のレーダー衛星コンステレーション(TerraSAR-X、TanDEM-X、PAZ)を補完し、再訪頻度の向上と観測エリアの拡大に寄与するとのこと。特に、Synspectiveの衛星の傾斜軌道を活用することで、海洋安全保障や天然資源管理、グローバル・ロジスティクスにおいて重要となる、赤道地域のモニタリング能力が強化されるという。
SAR技術は雲や煙などを透過し、夜間でも地表を観測できるのが特徴。太陽光ではなくマイクロ波信号を使用することで、昼夜を問わず、天候にも左右されずに詳細な地球観測を可能にする。エアバスは「この能力は、インフラの監視や軍の動態把握、洪水や地盤変位の評価といった自然災害への対応において、きわめて重要な役割を果たす」としている。
Synspectiveは、2028年以降に衛星30機以上のコンステレーション構築をめざすという目標を掲げており、これによって観測頻度の向上と安定した運用(レジリエンス)を追求。Synspectiveとエアバスは衛星データの提供に加え、欧州やグローバルマーケットにおける顧客ニーズに応えるため、共同ソリューションの開発や機能拡張についても検討を進めていく。

