ベトナムが国策で半導体チップ試作の支援センターを設立

ベトナムの科学技術省(MOST:Ministry of Science and Technology)は、同省の公立事業体として半導体チップのパイロット生産を支援することを目的とした国家センターの設置を行うことを決定したことを明らかにした。

同センターについてMOSTでは、ベトナムの半導体チップ設計分野が直面する主要課題の1つである、パイロット生産プロセス全体にわたる包括的な支援の欠如に対応する目的として設立されるものとしており、半導体チップの設計、パイロット生産、商業化支援に向けた公共サービス基盤などの提供に向けた半導体設計および試作支援のための必須インフラの整備と公共サービスの提供を行うとしている。

このサービスとしては、パイロットチップの生産支援やEDAソフトウェアへのライセンスアクセスなどが含まれるとのことで、同センターにて知的財産(IP)設計ライブラリの共有、技術設計の検証、トレーニングとテスト、および規制に従った半導体開発に関連するその他のサービスも提供するともしている。

加えて、こうした技術サポートを進めることで、同センターにはベトナムでの半導体エコシステムの育成と国際協力の促進も期待されているという。

人材育成にも注力

ベトナムでは、半導体開発戦略として人材が重要な柱と認識されているのとことで、従来の後工程分野に加えて、バリューチェーンのより高度な段階に移行することを目指しているものの、トレーニングプログラムの規模拡大、研究室のキャパシティの拡大、資格のある講師と専門家の数の増加に課題が残っているとのことで、同センターでの活動を通じて、そうした課題の解決を目指すとしている。そのため、集中的で実践的な研修コースを編成し、大学における半導体チップ設計活動を支援していくことで、高度なスキルを持つエンジニア人材を育成するとともに、スタートアップ企業と半導体製品の商業化を支援することを目指した投資ファンドや国家資金援助プログラムとの橋渡しを行うとともに、パイロット生産後のチップの試験・性能評価サービスも提供していくことを目指すとしている。

なお、すでにベトナムFPT Semiconductorが設計・製造するパワーマネジメントICが半導体商社で同社のパートナーであるレスターを経由して、日本の大手エレクトロニクス企業に納入が行われたとのことで、日本市場にベトナムの半導体企業の商用チップが納入された初めてのケースになるという。