文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP、ナイステップ)は、科学技術イノベーションのさまざまな分野で活躍している研究者10人を「ナイスステップな研究者2025」に選定した。社会的課題に関わる研究に取り組むほか、広く成果を還元している人物を選んだという。

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    「ナイスステップな研究者2025」に選ばれた釜江氏の研究から。(左)理想的な大陸を配置した数値実験により雲や大気循環の応答を調べる(右)中緯度で観測される特徴的な水蒸気輸送システム」(筑波大学提供)

専門家約1600人への調査などにより、最近の活躍が注目される研究者を抽出。研究実績に加え、人文・社会科学との融合などの新興・融合領域を含めた最先端の画期的な研究内容、産学連携・イノベーション、国際的な研究活動の展開などの観点から、NISTEPの所内審査を経て10人が決まった。

活躍が期待される若手研究者を中心に、気象や材料科学、AI(人工知能)、ライフサイエンス、民俗学などの分野の人材が選出された。

「ナイスステップな研究者」は2005年に開始。過去には、後にノーベル賞を受賞した山中伸弥氏や天野浩氏も選ばれている。

選定された研究者と研究内容は次の通り。敬称略。所属は公表の先月26日時点。

釜江陽一=筑波大学生命環境系准教授「雲と大気循環を基軸とした気候感度および極端現象の研究」

川越吉晃=東北大学グリーン未来創造機構グリーンクロステック研究センター准教授「マルチスケール解析で拓く航空機材料・設計・運用の学際研究」

塩足亮隼=独マックスプランク協会フリッツハーバー研究所物理化学科グループリーダー「ナノスケールを超越した極小の光による単一分子の化学」

新津藍=理化学研究所生命医科学研究センターチームディレクター「タンパク質をつくり細胞膜のダイナミクスを理解する」

橋本雄太=国立歴史民俗博物館研究部准教授「みんなで翻刻:古文書資料のシチズンサイエンス」

日永田智絵=奈良先端科学技術大学院大学助教「心に寄り添うAIロボットに向けた感情モデルの開発」

姫岡優介=東京大学大学院理学系研究科生物普遍性研究機構助教「生命と非生命の差異を明らかにするための理論研究」

深見開=東北大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻准教授「非線形機械学習を用いて非定常航空流体解のデータ科学的ブレイクスルーを狙う」

八木隆一郎=コルバトヘルスCEO、慶応大学病院臨床研究推進センター特任助教「心血管疾患の早期発見の革新を目指して―心電図・心エコーAIの研究開発とその実装―」

山本慎也=米ベイラー医科大学分子人類遺伝学部准教授「ショウジョウバエを用いた希少未診断疾患研究」

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