三菱ケミカルグループは12月11日、コーポレートベンチャーキャピタル子会社の米Diamond Edge Venturesを通じて、Boston Materialsに戦略的追加投資を実施したと発表した。今回の追加投資によりBoston Materialsとの関係を強化し、高性能コンピューティング・AIサーバ・次世代半導体デバイス向け先進熱界面材料(TIM:高熱伝導性サーマルインタフェースマテリアル)の共同開発と事業化に向けた協業を開始する。

追加投資の概要

Boston Materialsは炭素繊維を垂直方向に配列し、独自の液体金属合金と組み合わせることで、過酷なデータセンター環境においても高い熱伝導性と信頼性を実現する基盤技術を開発している。同社の技術は、AIやクラウドインフラ向けの高容量・高周波半導体デバイスの性能向上に寄与し、次世代半導体デバイスに不可欠な熱マネジメントシステム(動作時に発生する熱を効率的に制御・分散・排出するための仕組みや技術)を実現するという。

今回の戦略的追加投資により、Boston Materialsの熱マネジメント基盤技術と、三菱ケミカルグループの炭素繊維・PETフィルム・コーティング・先進材料試験などの技術を組み合わせることで、高付加価値分野におけるTIMの開発を加速する。また、同社グループの研究開発施設や事業ノウハウを活用することで、特にアジア地域における顧客開拓やアプリケーション開発を強化するという。

Boston Materialsの創業者 CEOのアンヴェシュ・グリジャラ氏は「AIインフラは従来の材料技術が追いつけない速度で進化しています。熱マネジメントは今や性能と信頼性を左右する決定的要因の1つであり、当社の技術を活用した『Liquid Metal ZRT』はまさにこの課題解決のために設計されました。三菱ケミカルグループとの提携により、世界トップクラスの材料技術とグローバルな事業基盤を活用し、次世代TIMの開発を加速します」とコメント。

また、Diamond Edge Ventures CEOのカーティス・シックナー氏は「熱マネジメントは、先進的な半導体デバイスにおける最重要課題の1つです。現行材料と市場が求める性能とのギャップは拡大し続けています。その課題に対し、Boston Materialsは独自のアプローチを有しており、今回の投資は長期的かつ深い技術パートナーシップの始まりを意味します。両社は協力して次世代TIMの開発を加速し、データセンターやAIコンピューティング性能の限界に挑む顧客を支援していきます」と述べている。

三菱ケミカルグループでは、今回の戦略的追加出資と協業で半導体・通信分野におけるソリューション提供を加速していく考えだ。