Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領が12月8日にNVIDIAに対し、高性能AIチップ「H200」の中国向け販売を承認する意向を示したが、中国側は購入に消極的な姿勢を示しているという。米国内でも安全保障上の懸念が高まっているとのことだ。
NVIDIAのフアンCEOは「中国が受け入れるか不確実」
NVIDIAはこれまで性能を落とした「H20」を中国向けに販売することが条件付きで許されていた。12月8日の発表は、高性能なH200の販売を認めるというものだ。米政府は売り上げの25%を徴収することになっている。
発表時、トランプ大統領は前Joe Biden(ジョー・バイデン)政権の輸出規制によって「誰も欲しがらない劣化製品」の開発を強いられたと批判している。
トランプ氏は合わせて、習近平国家主席が前向きな反応をしたと自身のソーシャルメディアに投稿していたが、中国側の反応は冷ややかだという。北京当局は国内半導体産業の育成を優先しており、H200の購入には制限をかける方針を固めている。
H200購入希望者には「なぜ国内製品では不十分なのか」の説明を求めるとのこと。NVIDIA CEOのJensen Huang(ジェンスン・フアン)氏自身も、中国が受け入れるか不確実との見方を示していたとのこと。
市場の反応も鈍い。発表後のNVIDIAの株価は0.3%下落し、投資家は今回の措置による業績向上をほとんど織り込んでいない。アナリストも実際の受注がない限り、長期予測は据え置くとしている。
安全保障面では矛盾も露呈している。批評家は技術流出リスクを指摘するが、実際にはすでに10億ドル以上の規制対象チップが闇市場経由で中国に流入済みだとFinancial Timesなどが過去に報じていた。
また、米司法省は販売承認の翌日となる12月9日、1億6000万ドル相当のNVIDIAチップ密輸を摘発したばかりで、H200も含まれていたという。このようなことから、Axiosは誰にとってもメリットが薄いという見方を示している。