クリプトン・フューチャー・メディア(クリプトン)と産業技術総合研究所(産総研)の両者は11月17日、毎回変わるオススメの10曲のサビ部分を短時間に次々と試聴することで、まだ聴いたことのない楽曲を発掘し、自分の「リスナータイプ」診断を受けられる音楽チェックサービス「Kiite Check(キイテチェック)」を開発し、無料サービスとして同日からスマートフォンやパソコンで一般公開したことを共同で発表した。
同成果は、クリプトンと、産総研の後藤真孝上級首席研究員、同・濱崎雅弘副研究センター長、同・佃洸摂 主任研究員、石田啓介 テクニカルスタッフらの共同研究チームによるもの。
まだ見ぬ好みの楽曲を数分でおすすめ!?
歌声合成ソフトウェア「初音ミク」の登場以降、合成された歌声がメインボーカルの楽曲は57万曲以上公開され、しかも日々増加している。これだけ膨大であれば、好みの楽曲がある可能性は高いものの、それを発掘すること自体は容易ではない。つまり、その楽曲を潜在的に好きなはずのリスナーに、その楽曲が届かないという大きな課題が存在する。この課題を解決するため、研究チームはこれまで、産総研の音楽印象分析・音楽推薦といった音楽情報処理技術を活用し、音楽発掘サービス「Kiite」とその発展機能である「Kiite World」を開発し、無料公開してきた。
だがクリプトンによれば、より短時間で効率よく試聴し、好みの楽曲を発掘する機能は不十分だったとのこと。そこで研究チームは今回、Kiiteの新機能として、Kiiteでまだ聴いたことのないオススメの10曲のサビを次々と試聴し、数分間でのお気に入り楽曲の発掘を可能とする音楽チェックサービスを開発したという。
KiiteにログインをしてKiite Checkをスタートすると、複数の選曲理由に基づいて10曲が選ばれ、1曲目のサビから再生が始まる。5秒以上聴くと次の楽曲へ進める仕様であり、短時間で10曲を次々と試聴することが可能だ。選曲理由は、「注目の新曲」「あなただけへのおすすめ曲」「最近Kiite Cafeで人気だった曲」「Kiiteで推された人気曲」「Kiiteで人気の楽曲」「○○年投稿のKiite人気曲」の6種類である。「お気に入り曲」などから推定したリスナーの嗜好に合う楽曲や、Kiite上で他のリスナーが発掘した楽曲も仕組みである。
各楽曲の選曲理由は目立つ形で表示され、これが「説明可能な音楽推薦」となっている。また、Kiiteで一度も再生していない楽曲に限定して選ばれるため、未知の楽曲の発掘に特化した音楽推薦となっている点も特徴といえる。
サビから再生させる仕組みは、産総研のサビ区間検出技術による成果だ。再生開始位置をリスナーが設定する必要がなく、同時に、試聴中に楽曲内の任意の位置へシークすることも可能である。
各楽曲の再生中にそれが好みであれば、自分の「お気に入り曲」や「プレイリスト」に追加し、後で一曲を通して聴くこともできる。さらに、Kiiteでは楽曲にコメント入力や、他のリスナーのコメント閲覧も可能だ。これにより、他のリスナーのその楽曲に対する感想などを知ることも容易となっている。
10曲をチェックし終わると、自分の「リスナーのタイプ」の診断結果が8種類の「Kiiteタイプ」として表示される。これは、Kiiteでお気に入りやプレイリストへの追加をといったすべてのアクティビティを、再生数(M-A軸)、投稿日(T-V軸)、人気(P-S軸)の3つの観点で分析し、その結果に基づいた仕組みだ。一般的にアンケート回答が用いられるタイプ診断と異なり、実際のアクティビティに基づく点が特徴的である。さらに、最近2週間のアクティビティがあるリスナーの場合、その期間のみの分析結果に基づく短期的な8種類の判定と、上述した長期間な8種類の判定を組み合わせた64種類の複合的なKiiteタイプが判定される仕様となっている。
また、3分間あればKiite Checkで10曲チェックすることができるため、日々のすきま時間で新たな楽曲に出会う楽しさを得られるよう、毎日何曲チェックし、何曲お気に入りに追加したかというチェック実績をカレンダー上で一覧表示する機能も備えている。加えて、これまでに自分がチェックした総曲数のグラフも表示され、達成感を得ながら好みの楽曲を発掘する喜びを体験しやすくなっている仕組みだ。
研究チームは今後も引き続き共同開発を進め、Kiiteの利便性を向上させ、音楽コンテンツ文化の発展に貢献していく方針とした。さらに、Kiite Checkの開発で培った技術を、他のメディアコンテンツを対象としたサービスなど、さまざまな応用に展開していく予定としている。なお、「Kiite Check」体験ページでは、新規利用登録をしなくても3曲のチェックを体験することが可能だ。






