第66回 Top500の上位10システムに順位の変動なし
世界のスーパーコンピュータ(スパコン)に関するランキングの2025年11月版(第66回)「TOP500」が11月17日(米国時間)、米国セントルイスにて開催されているHPCに関する国際会議「SC25」にて発表された。
それによるとトップとなったのは前回同様、米LLNL(ローレンス・リバモア国立研究所)に設置された「El Capitan(エル・キャピタン)」で3連覇を達成した。今回、El Capitanは、AMDの第4世代EPYC(24コア、1.8GHz動作)を前回の1103万9616コアから1134万コアに増加させることで、LINPACK性能を前回の1742.00PFlops(1.742ExaFlops)から1809.00PFlops(1.809ExaFlops)へと伸ばし、1位の座を盤石にしている。
2位も前回同様、米ORNL(米オークリッジ国立研究所)に設置されたエクサスパコン「Frontier」。LINPACK性能は1353PFlops(1.353ExaFlops)と、こちらは前回から変更はない。3位も米アルゴンヌ国立研究所に設置されたエクサスパコン「Aurora」で、LINPACK性能は1.012ExaFlopsとこちらも前回から変更はない。
4位は前回初顔としてランクインしてきたEuroHPC/Forschungszentrum Jülich(FZJ、ユーリッヒ研究センター)の「JUPITER Booster」のまま変更なし。ただし、NVIDIA GH200 Grace Hopper Superchip(72コア、3GHz動作)の480万1344コア構成に変更はないものの、LINAPACK性能を前回の0.793ExaFlops(793.40PFlops)から1000PFlops(1ExaFlops)と引き上げ、米国以外では初のエクサスケールスパコンとなっている。
5位は前回同様、マイクロソフトのAzureスパコン「Eagle」で、LINPACK性能も前回の561.20PFlops(0.561ExaFlops)から変更はない。6位も前回同様、イタリアのエネルギー供給会社Eniのスパコン「HPC6」で、LINPACK性能は477.90PFlopsのまま変更なし。7位も理化学研究所(理研)のスパコン「富岳」で変更はなく、LINPACK性能もこれまで同様442.01PFlopsと変更はない。富岳はHPCG500については442.01PFlopsで、El Capitanに次ぐ2位に入っている。
8位もスイス国立スーパーコンピューティングセンター(CSCS)に設置されているAIスパコン「Alps」で変更はなく、LINPACK性能も434.90PFlopsで前回同様である。9位も欧州連合(EU)のスパコン共同事業体(EuroHPC Joint Undertaking)のうちの1つで、フィンランドの教育文化省が運営する非営利の国有企業CSC - IT Center for Scienceによる「LUMI」で変更なし。LINPACK性能も379.70PFlopsで変更はない。そして10位もLUMIと同じEuroHPCの1つである、イタリアのボローニャに設置されているCINECAデータセンターの「Leonardo」で変更はない。LINPACK性能も前回同様の241.20PFlopsとなっている。
スパコンの設置国・地域別順位で日本が米国に次ぐ2位に
TOP500の500システムのうち、アクセラレータ/コプロセッサを搭載しているのは255システムで前回の237システムから増加している。また、プロセッサについてはIntel系統が全体の57.20%と最大であるが、前回の58.80%からは減少。代わってAMDが前回の34.60%から35.40%と若干だが伸ばしている。
500システムの設置場所を国・地域別でみると、米国のシステムが172台と前回から1システム減らしたもののトップを維持。2番手は前回の40台から43台へと増加させた日本。そして前回43台としていたドイツが40台と減らし3位に入っている。前々回の63台から前回46台に減少していた中国は今回39台まで減少しており4位となっている。次いでフランス22台、カナダ19台、イタリア18台、韓国15台、台湾10台、イギリス10台、ブラジル10台と続いている。
トップ100以内に日本勢は12システムがランクイン
なお、富岳以外の日本の主なスパコンシステムとして100以内にランクインしているのは以下の通り。前回の富岳併せて12システムから台数としては変更はないが、新たに17位にソフトバンクのNVIDIA DGX B200とIntel Xeon Platium 8570を組み合わせたスパコン「CHIE-4」が135.40PFlopsでランクインしているほか、93位にさくらインターネットと、そのグループ会社であるプラナスソリューションズのスパコン「SAKURAONE CYC」が19.31PFlopsでランクインしている。
代わりに前回、100位以内に入っていたが今回、100位以内から消えたのは、前回93位であった東北大学の大規模計算科学計算システムスーパーコンピュータ「AOBA」のサブシステム「AOBA-S」(17.22PFlops)と前回96位であった宇宙航空研究開発機構(JAXA)のスーパーコンピュータシステム(JSS3)のHPCシステム「TOKI-SORA」(16.59PFlops)となっている。
- 16位(前回15位):産総研の「ABCI 3.0」(145.10PFlops)
- 17位(初登場):ソフトバンクの「CHIE-4」(135.40PFlops)
- 25位(前回22位):ソフトバンクの「CHIE-3」(91.94PFlops)
- 27位(前回24位):ソフトバンクの「CHIE-2」(89.78PFlos)
- 32位(前回27位):産総研の「ABCI-Q」(74.58PFlops)
- 41位(前回36位):FPTのスパコン(49.85PFlops)
- 42位(前回37位):筑波大学計算科学研究センターと東京大学情報基盤センターの共同運営による最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC)の「Miyabi-G」(46.80PFlops)
- 51位(前回46位):東京科学大学の「TSUBAME4.0」(39.62PFlops)
- 54位(前回49位):さくらインターネット/プラナスソリューションズの「さくらONE」(33.95PFlops)
- 73位(同58位):東京大学情報基盤センターの「計算・データ・学習」融合スパコン「Wisteria/BDEC-01」のシミュレーションノード群(Odyssey)(22.12PFlops)
- 93位 さくらインターネット/プラナスソリューションズの「さくらONE CYC」(19.31PFlops)

