伸びるAI ASIC市場
2026年にクラウドサービスプロバイダー(CSP)が独自に開発するAIアクセラレータASIC(AI ASIC)の成長率がGPUの成長率を上回る可能性が出てきたとの予測をTrendForceが報じている。
単純なチップ性能だけで語れなくなってきたAIシステム
それによると、AIシステムの競争は単純なチップ性能から、インターコネクト、スイッチ、ソフトウェア、そしてエコシステムへと移ってきており、2026年にAIアクセラレータ市場は重要な転換点を迎えるとしている。TrendForceの予測では、AIサーバの出荷台数をベースにAI半導体の成長率を試算すると、2026年にはAI ASICが前年比44.6%増と、GPUの同16.1%を大きく上回ることが予想されるという。
ただし、高い成長率をAI ASICが達成したからといって、NVIDIAの優位性が一夜にしてなくなることはないとTrendForceでは注意している。AIハードウェアを取り巻く競争環境が単なるプロセッサの性能競争から、インターコネクトやソフトウェアエコシステムまで含む、より広範かつ複雑なものへと移行していくことを意味しており、競争がNVIDIAによるリーダーシップの黄金時代から、複数の力によって形成されるプラットフォームの時代へと移行しつつあることを示すものとなるとする。
TrendForceでは、攻勢を強めるAI ASIC陣営からのコストならびに効率性に対する圧力を受けているNVIDIAは、単純なチップの性能向上に留まらない対応を迫られつつあるとみており、例えばNVLink FusionやRubin CPX/VR200 NVL144 CPXの発表など、戦略転換を意図的に推し進めようとする動きが見えるとする。
NVLink Fusionは、NVLinkテクノロジーを顧客が自社のASICに統合できるようオープン化しようという取り組みで、閉鎖的なエコシステムを打破し、戦略的優位性をハードウェアから高速インターコネクトのソフトウェア層へと拡張することを目指すものとなるという。中でもIntelとの提携は、NVLinkの利用範囲がx86 CPUに拡大することとなり、NVIDIAのサーバ相互接続における影響力強化、ならびにエコシステムの拡大につながることが期待されるようになるとする。
また、大規模コンテキスト処理向けに設計されたGPUであるRubin CPXは、プラットフォームであるVR200 NVL144 CPX内にて、NVIDIAのVPU「Vera」およびGPU「Rubin」と連携して動作して、推論市場を獲得する基盤となることが見込まれているという。
