第一三共ヘルスケアと御木本製薬は9月19日、肌の内部に存在する「中間水」や「弱い結合水」などを精密に分析することで保湿状態を評価する、新たな解析手法を確立したと発表した。この成果はフランス・カンヌで9月15日〜18日に開催された「第35回 国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)世界大会」の口頭発表Basic Research部門でTOP10に選出された。
解析手法の詳細
両社は今回、肌の保湿に重要とされながら従来は詳細な評価が難しかった「肌内部の見えない水」を可視化・定量化する手法を確立した。健康的な肌に不可欠な水分は角層内部で多様な状態で存在しているが、従来法ではそれぞれの状態を明確に識別することは困難だった。
研究では、保湿やキメ、ハリなどに関わるとされる「中間水」と「弱い結合水」に注目。御木本製薬は、示差走査熱量測定法(DSC法)を超低温(−150℃)に対応させた「超低温DSC法」を開発し、水分状態を「不凍結水」「中間水」「自由水」の3種類に分類して定量評価する手法を確立した。解析では、トレハロースがグリセリンの1.5倍、PCA-Naが2倍の中間水を保持することが分かった。
一方、第一三共ヘルスケアは、ラマン分光法を応用したピーク分離により、水分を「非常に強い結合水」から「自由水」まで5段階に分けて評価する手法を確立。
保湿成分のPCA-Naとトレハロースを組み合わせた製剤を肌に塗布すると、角層の深部における「弱い結合水(DA)」と「強い結合水(DDAA)」の比率(DA/DDAA)が向上し、保湿状態の改善が確認されたという。
今後の展開
両社は、今回の成果を応用することで、より高い保湿効果を持つ革新的なスキンケア製品の開発が期待できるとしている。
なお、IFSCCは世界各地81地域・51学会が加盟し、会員数約1万6000名を擁する国際的な学術団体。今回の第35回世界大会では798件の研究が発表され、両社の研究はその中からTOP10に選ばれた。



