ソニーセミコンダクタソリューションズは、業界初となる有効約1億500万画素と毎秒最大100フレーム高速出力の両立をうたう、産業機器向けCMOSイメージセンサー新製品「IMX927」を商品化。11月中旬からサンプル出荷を予定している。

  • ソニーセミコンダクタソリューションズが商品化した、産業機器向けのCMOSイメージセンサー「IMX927」

    ソニーセミコンダクタソリューションズが商品化した、産業機器向けのCMOSイメージセンサー「IMX927」

独自の画素構造によるグローバルシャッター技術「Pregius S」を備えた、2.5型(対角39.7mm)のCMOSイメージセンサー。ソニー独自の裏面照射型画素と積層構造を採用した2.74μmの微細画素により、有効約1億500万画素ながら小型で、高い感度と飽和容量も追求している。

半導体やディスプレイといった高い精度が求められる精密部品の検知に加え、より大型な対象物の認識においても、動体歪みがなく高い解像度で、かつ低ノイズな撮影が行えることも特徴。幅広い分野の測定・検査工程の精度を向上させたマシンビジョンカメラの実現に寄与するとしている。

画素の読み出しやAD変換におけるセンサー駆動を効率化した回路構造により、省電力かつ高速なデータ処理も追求。毎秒最大100フレーム(10bit出力時)という高速出力が行え、撮像データ出力までにかかる時間を短縮することで、測定・検査工程の生産性を高められるという。3次元検査などの複数の撮像データを活用する高度な検査への応用も期待されるとのこと。

新開発のコネクター付きセラミックパッケージにより、カメラの組み立て作業の効率化や安定稼働にも寄与するとアピールしており、IMX927に加え、イメージサイズやフレームレートの特性が異なる7タイプを商品化。全8タイプに対応するパッケージを活用することで、従来よりもカメラの組み立て作業や、カメラの仕様に合わせたセンサーの交換をしやすくした。放熱性を高めた構造により、発熱がカメラ動作にもたらす影響を抑え、長時間の安定稼働も追求している。