半導体用途研磨フィルムの外観検査工程向けAI自動化技術の開発を推進

九州工業大学(九工大)とMipoxは、半導体向け研磨フィルムの外観検査工程を対象としたAI自動化技術の実証実験を行っていることを発表した。

半導体デバイスの高集積化に伴い、シリコンウェハや光学部品などの製造工程で使用される研磨フィルムの品質保証が重要になってきているが、従来の外観検査では作業者が目視によって判断しており、検査精度のばらつきや作業負荷の増大、労働人口の減少などが課題となっていた。

特定の研磨フィルムではすでに100%分類に成功

今回のAIを活用した実証試験は、こうした課題解決に向けた取り組みという位置づけで、異常検知AIモデルの構築に向けた、Mipoxが「良品」と判定した画像データを用いて、九工大 大学院 情報工学研究院 知能情報工学研究系の徳永旭将准教授の知見を生かす形で深層学習によりAIモデルを訓練を進め、PoCによる中間報告の時点で、AIモデルの出力である異常度マップ(Anomaly Map)により異常箇所を可視化し、特定の研磨フィルム(ブルー系、グレー系など)において良品と不良品の100%分類に成功したとする。

また、AIモデルの出力に対し画像処理による後処理を適用することで、特定の色系統の研磨フィルムにおいて異常検知性能が改善し、100%の分類精度を達成したとするが、その一方で、白系の研磨フィルムにおける「色ムラ」の検出精度向上が今後の課題として浮き彫りになったともしている。

  • AIに入力した画像と、その結果の異常度マップ

    AIに入力した画像(左)と、その結果の異常度マップ(右)。赤丸は人が不良と判断した部分で、異常度マップでも白く強調されていることがわかる (出所:Mipox)

なお、両者は今後も産学連携を強化し、半導体向け研磨フィルム外観検査工程の自動化を目指し、品質保証の信頼性向上、検査工程の効率化、半導体産業全体の生産性強化などへの貢献につなげて行きたいとしている。