大物部品の精密加工ニーズに対応する大型立形マシニングセンタ「MB-100V」
オークマは9月10日、成長市場となっている半導体製造装置をはじめ、持続的な需要が見込まれる建設機械や農業機械、さらには産業機械や金型などといった幅広い成長市場における大物部品の精密加工ニーズに対応することを目的とした大型立形マシニングセンタ「MB-100V」を開発したことを発表した。
同マシニングセンタは、同社の高精度立形マシニングセンタ「MB-Vシリーズ」の最上位機種として開発されたもの。大物部品加工における加工精度は、加工時間が長くなることに伴う熱変位や、季節で変化する機械設置床面の問題により、高精度を安定維持することが難しく、経験に基づく室温管理や寸法補正を熟練技能者が担っていたという。また、加工機への大物部品の搬入出や段取り作業、切粉の清掃作業には多くの手間と時間を要していたともする。
一方で、近年の製造現場における熟練技能者の引退などによる人手不足、技能や技術の伝承の難しさなどの課題があり、大物部品加工の生産現場では、加工経験の少ない作業者でも使いやすく、高精度加工の安定維持を実現しつつ、作業者の負担を軽減することで生産性を向上することが可能な加工機が求められるようになっているという。
経験の少ない作業者でも安定して高精度な加工が実現可能に
同マシニングセンタは、そうした課題を解決することを目的としたもので、大量の切粉も一掃する「クロスレールシャワー洗浄」の採用による加工部品や治具、機内の面倒な清掃作業を減らし稼働率を向上させることを可能としたほか、搭載したAIが機械の状態を判断し、不意の機械故障による生産ロスを未然に防止する予知保全機能による長時間の連続自動運転を実現したとする。
また、高剛性構造を有する門形マシニングセンタの長期間精度安定性と、MB-Vシリーズの熱変位抑制技術を融合することで、経験が少ない作業者でも大物部品の加工精度を高いレベルで安定維持することにも成功。例えば環境温度8℃変化時で経時熱変位7μm以下を実現したとするほか、機械設置レベルの変化に伴う精度の悪化を機械が自ら把握し、半自動で簡単に校正する「精度安定診断機能」と「3Dキャリブレーション」も搭載することで、精度の維持を図ることを可能にしたとする。
さらに、作業者負担の面からは、機械の背面側に作業ドアと副操作盤を標準適用することで前面からでは手が届かない奥側の段取り作業も容易に行うことを可能としたほか、無理な姿勢での作業が無くなるため安全の確保がしやすくなり、結果として作業効率も向上させることが可能になったとする。
このほか、長さ3,000mm×幅1,000mmのテーブルサイズに対して、門形構造の採用により従来機比で加工領域を16%拡張しつつも設置面積を32%縮小することを可能としたとするほか、ころ軸受採用のNo.50主軸を標準適用することで加工時間の短縮による生産性向上を可能としたとする。加えて、ワイドなY軸移動量により実現可能な「割出機能付アングルヘッド」による側面加工による工程集約などにも対応しており、大物部品の移動や段取り作業の減少による省人化とリードタイムの短縮を実現したともしている。
なお、同社では今回のMB-100Vの開発により、立形マシニングセンタ「MB-Vシリーズ」から門形マシニングセンタまで、幅広いサイズの部品加工に対応するラインナップが完成したとしており、これによりさまざまな産業の生産現場における人手不足や技能伝承、そして作業負荷の課題をジャストフィットな機械で解決できるようになったと説明している。

