芝浦メカトロニクスと名大スタートアップが業務提携

芝浦メカトロニクスは8月28日、名古屋大学発スタートアップであるPhoto electron Soulと、Photo electron Soulが開発する「半導体フォトカソード型電子ビーム生成システム」の量産・メンテナンスに関する資本業務提携について合意したことを発表した

  • alt属性はこちら

    半導体フォトカソード型電子ビーム生成システムの「半導体ウェハ検査装置(型名:PES-2020 e-Beam System)」。ただし、今回の提携の対象となる具体的な装置名などは非開示とのことで、必ずしも同装置が該当するわけではないことに注意が必要 (出所:Photo electron Soul)

半導体デバイスの欠陥や構造などの検査・解析は、迅速な歩留り向上のために必要不可欠だが、その方法として大きく光学と電子ビーム(EB)の2つの方式に分けられるが、電子ビームの方がより微細な欠陥などの検出が可能とされている。

電子ビームで半導体の微細な欠陥などを検出

AI半導体を中心に先端プロセスに対するニーズは高まり続けており、TSMCの2nmプロセスにおける最初の2年間のテープアウト数は3nm(N3)、5nm(N5)のテープアウト数を上回ると予想されるほどである。そうした微細プロセスの需要拡大は電子ビーム方式による電子デバイスの検査・解析に対するニーズの高まりでもあり、Photo electron Soulはそれを事業機会と捉え、新たな電子ビーム方式である半導体フォトカソード型電子ビーム生成システムによる価値創出に取り組んできたという。

例えば、同システムを活用することでビーム軸はそのままで瞬時に強弱を制御して電子ビームを検査・解析対象に照射することができる「選択的電子ビーム照射技術」を活用することができるようになるという。これにより、非破壊による高アスペクト比構造の底部の欠陥や構造の検査・解析や、非接触による微小トランジスタの電気的特性の検査・解析が可能となり、すでに半導体デバイスメーカーや製造装置メーカーからの引き合いがあるという。

一方、芝浦メカトロニクスは半導体製造装置メーカーとして、ウェハ研磨後の洗浄装置やフォトマスクの洗浄装置、エッチング装置などさまざまな前工程向けのほか、後工程関連の装置を手掛けてきた実績がある。

Photo electron Soulによる資金調達の一部も引き受け

量産供給体制の強化を図りたいPhoto electron Soulと、半導体製造装置に関する技術や知見を持つ芝浦メカトロニクスの事業シナジーが見込まれること、また、新しい技術で社会課題の解決への貢献を目指す両社の将来ビジョンが一致した結果、Photo electron Soulが芝浦メカトロニクスから出資を受け、製造およびメンテナンスにおいて協業することとなったという。

なお、芝浦メカトロニクスではPhoto electron Soulが第三者割当増資により発行する新株式を引き受けることでも合意しており、その額はPhoto electron Soulが調達を予定している10億円のうちの一部となる予定だとしている。