アークエッジ・スペースは、内閣府と準天頂衛星システムサービスが主催する「みちびきを利用した実証事業」に採択されたことを9月2日に発表。日本の準天頂衛星システム「みちびき」が提供する高精度測位補強サービスを活用し、新たな潮位観測ブイと自社のIoT衛星を活用した事業をアジア太平洋地域で推進していく。実証実験は2025年11月に開始予定。

  • 準天頂衛星システム「みちびき」が提供する高精度測位補強サービス「MADOCA-PPP」を活用した、海洋ブイの実証運用イメージ

    準天頂衛星システム「みちびき」が提供する高精度測位補強サービス「MADOCA-PPP」を活用した、海洋ブイの実証運用イメージ

アークエッジ・スペースが携わる今回の実証では、みちびきのL6信号によって提供されるマルチGNSS対応のリアルタイム高精度測位補強サービス「MADOCA-PPP」を活用。アジア・大洋州の島嶼国などにおいて、新たな潮位観測ブイを展開し、アークエッジ・スペースのIoT衛星を用いて地域固有の潮位モデルを作成する。現地政府機関と連携し、海洋における同サービスの有効性や、アークエッジ・スペースのIoT衛星の活用の有用性を国際的に実証することを目的としている。

なお、「MADOCA-PPP」(Multi-GNSS Advanced Orbit and Clock Augmentation for Precise Point Positioning)はマルチGNSS対応のリアルタイム高精度測位補強サービスであり、ユーザーはL6対応受信機を通じて、GNSS単独で水平10cm以下、垂直10cm以下の精度を追求しているのが特徴だ。

アークエッジ・スペースは超小型衛星コンステレーションの企画・設計から量産化、運用まで総合的なソリューション提供を行う企業。超小型衛星の開発と運用に加え、IoTや次世代海上通信インフラであるVDES(VHF Data Exchange System)といった通信技術を融合させた観測・測位ソリューションの実用化に注力している。

内閣府と準天頂衛星システムサービスが主催する実証事業は、みちびき(QZSS)を利用した多種多様な製品・サービスが早期に提供される環境を整備するため、両者が連携して実施している。

アークエッジ・スペースは今回の実証事業を通じて、みちびきの国際展開と、IoT衛星を用いた持続可能な海洋観測インフラの普及に寄与する考えだ。津波や高潮等の災害監視、港湾整備、気候変動対応といった途上国の課題分野への寄与をめざす。なお実証実験にあたり、アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)と連携した現地セミナーの開催も計画している。ブイ投入や成果発表については、改めて発表予定とのこと。