ソニーセミコンダクタソリューションズは、エッジAIセンシングプラットフォーム「AITRIOS」(アイトリオス)の技術を活用し、交通管理に関する複数の実証プロジェクトを米国の2都市で実施。交通システムなどの展示会「ITS World Congress」(会期:8月24日~28日、米アトランタ州)に出展している。

  • エッジAI技術により車両ごとに進行方向を検知している様子

AITRIOSを活用した自治体向けの導入事例として、コロラド州レイクウッド市での道路安全対策の取り組みと、カリフォルニア州サンノゼ市における包括的な交通管理の実証プロジェクトの2件を紹介。いずれもソニーのイメージセンサー技術と、それを活用したエッジAIカメラにより、自治体による安全性の向上や公共空間の管理といった、効率的で安心な都市型インフラの実現に寄与することをアピールする。

レイクウッド市内では、AI処理機能を搭載したソニーのインテリジェントビジョンセンサーを活用した交通安全の実証プロジェクトが2024年3月から実施されている。同市の取り組みでは、事故やニアミスの多い交差点や、直線道路区間における車両の動きや歩行者の横断などを、難しい天候や光環境においても高精度でリアルタイムに検知でき、歩行者や自転車などの交通弱者の安全向上をめざしている。また、センサーからの画像出力はせず、プライバシーに配慮したメタデータのみを活用しており、都市の交通政策への寄与が期待されるとのこと。

サンノゼ市では、交通局が主導するプロジェクトの一環として、高度なAIセンシング技術を活用し、新たな交通データ収集の手法を探求。従来の交通調査は一過性の現地調査に頼るケースが多く、数日間のデータしか取得できないため、長期的な傾向や一定期間ごとの変化を捉えきれないという課題があった。

今回導入された常設型のモニタリングシステムは、ソニーのインテリジェントビジョンセンサーとAITRIOSを活用しており、車両の台数や速度、進行方向に加え、歩行者や自転車の動きに関するデータを継続的かつ高精度に収集。実証実験では、進行方向別の交通量把握において95%以上の精度を記録しており、道路利用の実態をより包括的に把握できているという。

こうした高精度でリアルタイムに得られるデータにより、交通計画や安全対策、インフラ整備の的確な判断を支援。同システムの活用範囲はスマートシティにおけるさまざまな分野への応用に向けて検討することもできるとしており、具体的には駐停車スペースの最適管理や不法投棄の検知、横断歩道の安全モニタリング、ケーブル盗難などの資産保護といった、スマートシティにおける多様な課題への対応にもつながるとのこと。

AITRIOSは、効率的なデバイス管理やAI開発・運用のためのエッジAIセンシングプラットフォームとしてソニーセミコンダクタソリューションズが提供しているもの。エッジAIを用いたソリューションの展開において必要な開発環境やツール、機能などを提供し、プライバシーに配慮しながら、導入のコストや煩雑さを低減するほか、運用開始までに要する時間などの改善にも寄与するという。