半導体市場動向調査などを手掛ける仏Yole Groupが「CMOSイメージセンサ市場調査レポート 2025年版」を発行した。
それによると2024年のCMOSイメージセンサ(CIS)市場は、スマートフォン(スマホ)の回復と、セキュリティ、防衛・航空宇宙、民生用電子機器の需要を背景に前年比6.4%増の232億ドルとなったという。また、2025年もモバイル、セキュリティ、車載を主要なけん引役として成長することが見込まれるほか、2024年から2030年にかけての年平均成長率(CAGR)も4.4%となり、2030年には301億ドル規模に達すると予測されるとしている。
シェアトップはソニー、中国勢が台頭
2024年のサプライヤトップ24社のシェア合計を地域・国別で見ると日本が48%とほぼ半分を占めた。次いで、韓国21%、中国19%、米国6%、欧州5%、台湾1%となっている。
企業別で売上高シェアを見ると、詳細は明らかにされてないが、トップはソニーセミコンダクタソリューションズで50%近くを獲得。同社はビジネスの多角化に向けて車載分野で先行する中OminiVisionとonsemiのシェアを奪うべく攻勢をかけているという。
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CISサプライヤの売上高シェア。企業名は非公開であるため、あくまで筆者の推定だがCompany 1がソニー、同2がSamsung、3がSK hynix、4がOmniVision、5がSmartSense、6がGalaxyCore、7はSTMcroelectronics、8はonsemiと考えられる
SK hynixが、メモリへの注力を背景としてCISから撤退気味なのに対し、ハイエンドスマホをターゲットとする中国勢は、成熟プロセスでの製造により米国の対中半導体規制の影響をほぼ受けないことに加え、中国内の需要と政府支援もあり生産を増加させている。結果として2024年には、前年比105.7%増を達成したSmartSenseをはじめとして、中国勢がモバイルおよび車載で成長しており、Yoleでは2025年にはさらに売り上げを伸ばすと予測している。
AppleのCIS調達戦略に翻弄されるソニー
ソニー製CISの大口顧客であるAppleが米国半導体関税の回避に向けてSamsungの米国工場からCISを調達するのではないかと一部で報じられている。これに対してソニーのCIS事業担当の執行役員である堀井直也氏は、2025年度第1四半期の決算説明会にて、特定の顧客に関する質問には答えられないとはしつつも「米国内に半導体製造拠点を有しておらず、短期的に米国内での生産対応をすることは現実的には難しい」と述べ、製品の競争力と品質をもって対処することを強調していた。
CISの進化は、性能、統合、センシング機能の強化に向けたイノベーションがけん引してきた。主なトレンドとしては、信号対雑音比の向上、低照度感度の向上、コンパクトな設計、低消費電力化などが挙げられる。多くの主要なスマホに採用されているソニーのトリプルスタックセンサは画質向上だけでなく、マルチモーダルセンシングやオンチップAIも可能にするなど、インテリジェントセンシングへの移行を示す良い例と言えるだろう。



