資生堂は、宇宙環境で使用する化粧品の展開をめざし、独自設計したスキンケア用品が国際宇宙ステーション(ISS)で活用された事例を8月19日に発表。“水に頼らない次世代スキンケア”の概要や、JAXAの大西卓哉宇宙飛行士がISSで試用したときの感想を紹介している。
宇宙環境では水は貴重な資源だが、地球上でも環境の変化により、水の重要性が増してきた。こうした背景から、資生堂では水に頼らない次世代スキンケアという発想で研究を進めている。
具体的には、肌の表面に気体透過性を持つ薄い人工皮ふ膜を形成することで、肌から蒸散する水分を膜の内側に留め、肌本来の水分でうるおいを保つといった循環型の保湿機能を追求。この膜を剥がすと、皮脂や古い角層を取り除く洗浄効果も備えており、こうした技術を活用することで、限られた水資源の中でも効果的なスキンケアを可能にすることをめざす。
資生堂は、米国のベンチャー企業・Olivo Laboratoriesの特許技術「Second Skin」を2018年に取得し、資生堂の強みである処方開発技術と組み合わせて、その機能性を強化。「Second Skin」技術は、肌と一体化して凹凸を補正する人工皮ふを肌上に形成するもので、目袋やたるみを短時間で目立たなくするなど、従来の化粧品の枠を超えたビューティーケアの可能性を見出したとしている。
同技術を応用し、スキンケアやメイクなどといった横断での活用を進めており、今回の宇宙環境用スキンケアにも応用。宇宙という過酷な環境でも肌のうるおいを守りすこやかさを保つことをめざして、肌と一体化する人工皮ふを形成する2剤式の美容液を開発し、2025年3月15日にISSへ運び込んだとのこと。
JAXA宇宙飛行士 大西卓哉氏のコメント
宇宙では水は貴重な資源です。肌自身の持つ水分で保湿ができるスキンケアは、乾燥しがちな宇宙船内の環境に適していると思います。剥がす際、肌の古い角層を一緒に取り除いてきれいにしてくれるそうで、水を必要としない洗浄機能は、ISS内ではありがたい機能の1つです。

