NEDOの量子コンピュータの産業化に向けた事業に採択
浜松ホトニクス(浜ホト)が8月6日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」における「量子コンピュータの産業化に向けた開発の加速」事業に、事業テーマ「量子コンピュータの産業化に向けた光部素材技術の開発」として採択されたことを発表した。
現在、世界中で開発が進められている量子コンピュータ。すでに複数の関連スタートアップが国内外で立ち上がっており、産業化に向けた動きが進んでいる。
量子コンピュータを実現するべく、さまざまな方式が提案され、各地で開発が進められているが、そうした状況を踏まえ、NEDOでは、そうした各種方式の量子コンピュータシステムの民間による開発、国内企業が強みを持つ部素材やミドルウェア開発、人材育成などへの重点支援を実施し開発を加速させ、世界に先駆けて量子コンピュータの産業化を実現することを目的に「量子コンピュータの産業化に向けた開発の加速」事業の公募を行ったという。
中性原子方式の量子コンピュータの産業化に向けたカメラなどの開発を計画
浜松ホトニクスは現在、中性原子方式の量子コンピュータに向けて光子数の識別を可能とした低ノイズカメラを開発、製造、販売しているほか、空間光位相変調器(LCOS-SLM)においても、中性原子量子コンピュータの研究者から高い評価を受けているという。今回の採択は、そうした量子コンピュータの産業化に向けたコア技術を有していることを踏まえたもので、今後、2025年度から2027年度の3年間の予定で、中性原子方式の量子コンピュータの産業化、特に大規模計算化・システム化に必要な超高速カメラや多画素・高感度カメラ、多画素空間光変調器の試作品を開発するとともに、量子コンピュータの安定動作に必要なレーザシステムの波長安定化のためのレーザ安定化技術を開発していくと同社では説明している。
また、産業技術総合研究所や理化学研究所、国内外の量子コンピュータメーカーと共同し、中性原子方式のみならず、光量子方式やイオントラップ方式への応用を見据えた試作品の評価も行っていく予定としている。
なお、助成金の総額は約30億円が予定されているという。