AIデータセンターのニーズに対応するSSDをMicronが発表
Micron Technologyは、AIデータセンターにおけるデータ活用ニーズに対応するパフォーマンス、容量、電力効率を提供する3種類のデータセンター向けSSDを発表した。
同社バイスプレジデント 兼EMEAおよびアジア太平洋地域コアデータセンター事業部ゼネラルマネージャーを務めるプラサド・アルリ(Prasad Alluri)氏は、データセンターにおけるAI処理に対するメモリならびにストレージの階層は「ニアメモリ(近接メモリ)」「メインメモリ」「エクスパンションメモリ(拡張メモリ)」「ローカルSSDのデータキャッシュ」「ネットワーク化されたデータレイク」となっていることに触れ、「Micronはデータセンターにおけるメモリとストレージのポートフォリオ全体にフォーカスして、AIニーズのすべてに対応することを目指している」と、今回の製品群の開発の背景を説明する。
この5階層のうち、ニアメモリはGPUと接続されるHBMやGDDR、メインメモリはサーバに用いられるMRDIMMやDDR、LPDDR、SOCAMMなどのDRAM関連、ならびにエクスパンションメモリもCompute Express Link(CXL)技術をベースとしたDRAM関連となる。今回発表された3つのSSD製品は、より下層の「ローカルSSDデータキャッシュ」ならびに「ネットワークデータレイク」向けのものとなる。
PCIe Gen6に対応したデータセンターSSD
1つ目はPCI Express Gen6(PCIe Gen6)に対応したデータセンターSSD「Micron 9650」。第9世代3D NANDのTLC技術を採用したAIワークロードのトレーニングと推論処理での利用に最適化された製品だという。
PCIe Gen5世代のSSDと比べてストレージの電力効率をランダム書き込みでは最大25%、ランダム読み取りでは最大67%向上させたとするほか、パフォーマンスも最大28GB/秒のシーケンシャル読み取り速度と 14GB/秒のシーケンシャル書き込み速度ならびに最大550万 IOPSのランダム読み取りと90万IOPSのランダム書き込みを実現しており、すでにPCIeスイッチベンダであるAstera LabsやBroadcomと協力し、相互運用性の確認などの実証も行われているという。
フォームファクタとしてはE1.S(9.5mm)、E1.S(15mm)、E3.S 1T(7.5mm)に対応。空冷に加えて液冷対応のオプションも提供される。「9650 PRO」とより高い性能の「9650 MAX」の2シリーズ(9650 MAXはE3.Sのみの提供)が用意されており、容量は6.4TB~30.72TBとしている。
低レイテンシニーズに対応するSSD
2つ目は、低レイテンシニーズに対応するPCIe Gen5対応の「Micron 7600」で、高負荷のRocksDBワークロードで1ミリ秒未満のレイテンシを実現する応答性を提供するという。
Micron 9650同様、第9世代3D NANDのTLC技術を採用することで、シーケンシャル読み取り速度12GB/秒を実現するほか、シーケンシャル書き込み速度7GB/秒、ランダム読み取り210万IOPS、ランダム書き込み40万IOPSを実現するとしている。
同社が行った競合の大容量PCIe Gen5対応SSDとのRocksDBワークロード性能と電力効率比較では、ランダム読み取りで、最大パフォーマンスは最大21%向上、99パーセンタイルレイテンシは最大59%低減、電力効率は最大78%向上することを、ならびに書き込み中のランダム読み取りについても最大パフォーマンスは最大23%向上、99パーセンタイルレイテンシは最大76%低減、電力効率は最大79%向上することを確認したとする。
フォームファクタはU.2(15mm)、E1.S(9.5/15mm)、E3.S 1T(15mm)に対応。容量は1.6TB~15.36TBとしている。
大容量ニーズに対応するSSD
そして3つ目が、AIデータレイク向けとして第9世代3D NANDのQLC技術を採用した「Micron 6600 ION」。
U.2(15mm)ならびにE3.S 1T(7.5mm)のフォームファクターに対応し、容量は30.72TB~122.88TBで、E3.Sであれば2Uに40台搭載できるほか、36Uであれば720台搭載でき、88.5PBの容量を提供できるため、3.5インチのHDDと比べて容量密度の向上を図りつつ、消費電力量の削減につなげることができるとしている。具体的には、122TBのSSDの場合、4.9TBあたりの消費電力が1Wで、同等容量に相当する3台の36TB HDDと比べて電力効率を37%高めつつ、スペースを1/4未満に抑えることを可能とするという。また、2EBのストレージ実装として、HDDと比べた場合、1日に最大3.4MWの省エネを可能とするともしている。
なお、すでにMicron 9650ならびにMicron 7600についてはエンジニアリングサンプルの顧客への提供が開始済みとするほか、容量122TBのMicron 6600 IONのサンプルについては2025年度第3四半期後半に、E3.SならびにU.2のフォームファクターで提供開始される予定。またMicron 6600 IONについては245TB版も開発が進められており、2026年度前半に提供開始する予定だとしている。













