2桁の増収増益を達成したQualcomm
米Qualcommが7月末に2025会計年度第3四半期(4~6月)の決算を発表した。それによると売上高は前年同期比10%増の103億6500万ドル、純利益は同25%増の26億6600万ドルとなった。
主力のスマートフォン(スマホ)市場が復調したことで、スマホ向け半導体の売り上げが伸びたことに加え、人工知能(AI)対応スマホなど新たな分野の開拓を進めていることが奏功したという。
その結果、同四半期におけるスマホ向け半導体の売上高は同7%増の63億3000万ドルとなった。ただし、市場予測は65億ドル前後とされていたこと、ならびに今後、米国の関税政策の影響が業界全体に及ぶとの懸念が市場では広まった模様である。同社は同第4四半期(7~9月)の売上高見通しを103億~111億ドル(前四半期比0〜7%増)と発表している。
また同社は、Appleが自社開発のモデムチップへのシフトを進めるに伴い、自社のモデム関連の売上高が影響を受ける可能性があると分析しており、今年度は、Apple以外の顧客からの半導体売上高がすでに15%超の増加を達成したことなどを明らかにし、今後、Apple以外への拡販に注力するとしている。同社社長兼CEOのクリスティアーノ・アモン氏は「車載半導体とIoTの売上高が引き続き力強い成長を遂げたことは、当社の多角化戦略と長期的な売上高目標達成への自信をさらに裏付けるものである。AIプロセッシング、高性能・低消費電力コンピューティング、そして高度なコネクティビティにおける我々のリーダーシップは、AIがエッジで拡大する中で、業界が選ぶプラットフォームとなるための確固たる地位を築く」と述べている。
中国向け製品の堅調な伸びが下支えしたMediaTek
台湾の代表的なファブレスMediaTek(聯発科技)も7月末に2025年第2四半期(4~6月期)決算を発表した。それによると、売上高が前年同期比18.1%増の1503億NTドル、純利益は同8.3%増の278億NTドルで、OPPOや小米(Xiaomi)などの中国スマホメーカーのフラッグシップ機種向け半導体や、高速通信対応の半導体の販売が堅調であったためだという。
同社の蔡力行(Rick Tsai)最高経営責任者(CEO)は決算説明会で、第3四半期(7~9月期)の売上高予想は前年同期比で1%減~6%増の1301億~1400億NTドルと増収、減収どちらにも触れる可能性を指摘している。スマホ向け半導体で新製品を投入する一方、4~6月期にあった調達前倒しの反動が業績を下押しする可能性があるという。
ただし、スマホ、コネクテッドコミュニケーション、コンピューティングソリューションという3つの主要事業はいずれも年間を通じて力強い成長が見込まれると述べており、特に、主力製品の「Dimensity 9500」と、NVIDIAと共同開発したスーパーチップ「GB10」の量産開始に期待を寄せており、自社が長期成長への着実な道を歩んでいることを強調している。スマホ関連事業はフラッグシップ分野が堅調で、当該分野の売上高は今年30億ドルに達し、年間成長率は40%を超えると予測している。
また、Wi-Fi 7、5Gモデム、10G GPONを含むMediaTekのネットワークおよび通信製品ポートフォリオも引き続き市場シェアを拡大し、今年の関連収益は大きく成長して30億ドルを超すと予想されることも指摘したほか、既存のコンピューティングソリューションには、タブレットやChromebookに加えて、NVIDIAと共同開発したGB10プロジェクトが含まれており、AI需要の堅調な伸びに支えられ、今年の売上高は80%以上増加し、約10億ドルに達すると予想されるともしている。
最も期待されているデータセンター向けASICの進捗状況については、設計が第3四半期中に完了する予定としており、関連プロジェクトは2026年から収益に貢献し始め、年間10億ドルを超す売り上げ達成を目指すとするのと同時に、今後数年間の関連事業の力強い成長にも楽観的な見方を示しており、現在、複数のクラウドサービスプロバイダー(CSP)とカスタムデータセンターチップのビジネスチャンスについて協議しているという。
このほか自動車分野では、NVIDIAが共同でフラッグシップモデル向けの先進スマートコックピットソリューション「C-X1」を開発しており、今年後半にサンプル出荷を開始し、2026年から収益に貢献し始める見込みであるとしている。
売り上げ増も研究開発費の増加で減収となったArm
半導体設計大手の英Armも7月末に2026会計年度第1四半期(2025年4~6月)の決算を発表している。それによると、売上高は前年同期比12%増の10億5300万ドルと、2四半期連続で四半期売上高10億ドルのマイルストーンを突破し、過去2番目に高い四半期売上高を達成したという。しかし、純利益は同42%減の1億3000万ドルにとどまった。人工知能(AI)向けなどの研究開発費を大幅に増やしたことが減益要因となったという。
具体的には、同四半期に研究開発費を前年同期比34%増の6億5000万ドルまで引き上げたとする。新たな可能性を探るために意識的に投資を増やしているとするが、自社開発のAI半導体チップを販売する準備をしている模様である。
同社のロイヤリティ収入は、Armv9アーキテクチャの採用拡大、Arm Compute Subsystems(CSS)ベースのチップ数の増加、およびデータセンターでのArmベースのチップの使用により、同25%増の5億8500万ドルとなったほか、ライセンスその他の収入を4億600万ドルとしている。
同会計年度第2四半期(2025年7~9月)については、売上高が同20~32%増の10億1000万~11億1000万ドルになるとの見通しを示している。
このほか、同会計年度第1四半期の主なトピックスとして、「自動車向けのArm Zena CSSのリリース後、最初の設計受注を獲得したほか、世界の自動車OEMの3分の1以上と積極的に協業」、「四半期中に、データセンターチップ用に2つ、PC用に1つ、合計3つの追加のCSSライセンスを締結。現在までに合計10社に16のCSSライセンスの提供」、「主要顧客が、強力なAIユースケースを可能にするNPUであるArm Ethos-U85ベースの最初のチップをテープアウトさせた」といったことを挙げている。
