宇宙機の高性能化を支えるプリント基板をOTCが開発
OKIは7月28日、同社グループのプリント配線板(PCB)事業会社であるOKIサーキットテクノロジー(OTC)が、宇宙のような真空環境下で稼働するロケットや人工衛星搭載機器向けに放熱性を強化した「銅コイン埋込フレックスリジット基板」を開発したことを発表した。
フレックスリジット基板は、絶縁性フィルムを材料に使った、薄く、軽く、柔らかく耐久性に優れた屈曲性のあるフレキシブル基板(FPC)と強度の高いリジット基板(PCB)を組み合わせた構造を採用することで、折り曲げて搭載することを可能としたプリント基板で、狭小スペースの機器にも搭載が可能という特徴がある。
また、基板間接続にコネクタを不要としているため、省スペース化・軽量化・実装工数の削減も可能とするが、基板に搭載する電子部品は高性能化などによる発熱量の増加が、宇宙空間のような真空環境下においては対流が発生せずに放熱ができないため、より効果的な放熱対策を施す必要性が求められていたという。
発熱問題を銅コインを使って解決
これまでも同社は、熱伝導率の高い銅(銅コイン)をPCBのスルーホールに円柱の形状で挿入して、発熱する電子部品と接合することで、基板の裏側へ熱を逃がす独自の「銅コイン埋め込みPCB技術」を活用して、リジット基板の放熱課題を解決してきた。今回、そのノウハウをフレックスリジット基板に応用することで、真空環境下でも高い放熱性を発揮する銅コイン埋込フレックスリジット基板を実現したとする。
なお、同社は宇宙航空研究開発機構(JAXA)のPCB規格7付則すべての認定を取得済みの企業で、宇宙機器向けPCBに関するノウハウと信頼性に対する技術を有している点が宇宙関連での強みとなっているほか、さまざまな形状や大きさ、搭載場所により異なる要求スペック、小ロット生産への柔軟な対応など、開発段階から試作、量産まで対応できる生産体制を有しており、宇宙分野における高信頼性プリント基板の提供を担ってきた。OKIとしても、中期経営計画2025において、航空宇宙市場をEMS事業の注力分野とし、グローバルな航空宇宙市場に向けた技術開発と販売拡大を推進しているという。
目標は2026年度で2000万円
今回開発した銅コイン埋込フレックスリジット基板についてOKIでは、2025年8月よりニュースペース市場を通信に販売を開始するとしており、高発熱部品の熱対策課題の解決ならびにコネクタレスによる省スペース化・軽量化・実装工数削減を提案していくことで、2026年度で2000万円の売り上げを目指すとしている。
