半導体技術の高度化でX線分析の需要が増加

X線分析装置などを手掛けるリガク・ホールディングスは6月26日、グループ会社であるリガクが、大阪府高槻市の自社工場ならびに山梨県韮崎市の協力会社である日邦プレシジョンの第6工場(PNP第6工場)において、半導体プロセス・コントロール機器の生産能力を増強したことを発表した。

  • リガク大阪工場のクリーンルームの様子

    リガク大阪工場のクリーンルームの様子(出所:リガク)

  • PNP第6工場

    PNP第6工場の組み立てエリアの様子(出所:リガク)

AI需要を背景に成長する半導体市場にけん引される形で、半導体製造装置ならびに検査装置市場も成長を続けている。また、プロセスのさらなる微細化に加え、3次元化、トランジスタ構造の変更などナノスケールオーダーで加工の複雑度が増しており、その状況を把握するための計測・評価の高精度化も求められるようになっている。

こうした市場背景を追い風にリガクのX線分析技術に対する期待も高まっている一方で、従来の生産体制ではそうした需要の高まりに対応が困難な状況となっていたという。

2025年第4四半期には台数ベースで生産能力を前年同期比50%増に引き上げ

今回の生産能力増強はそうした需要の拡大に対応することを目的に実施されたもの。具体的には、組み立て・検査エリアの面積が約2倍に拡大されたという。これにより、同社では2025年5月に竣工したリガクの主力生産拠点である山梨工場の新製造棟の稼働によるX線源・検出器などといったX線の重要部品の生産能力増強と併せて、2025年第4四半期には半導体プロセス・コントロール機器全体の生産能力を台数ベースで前年同期比約50%増にまで引き上げるとしているほか、その後も需要に応じて設備の拡充を進めていくことで、2027年までにさらに2024年第4四半期比で50%の能力増強を図ることも計画しているとする。

なお、同社ではこれらの取り組みにより、半導体プロセス・コントロール機器の売り上げが、2025年第4四半期に伸長することが期待されており、通期でも計画通り前年比20%程度の成長を見込むとしている。